本文へ移動

名選手が突然の引退「実家の建設業を継ぎます」37歳・林巨人の気持ちはすっきり「もう決めたこと」【競輪】

2021年4月1日 06時00分

このエントリーをはてなブックマークに追加
引退レースで完全Vを決め兄弟子の一丸安貴に祝福される林巨人

引退レースで完全Vを決め兄弟子の一丸安貴に祝福される林巨人

◇記者コラム「バンクの風」
 調子が戻ってきた頃だと思っていた。それだけにびっくりしたし、残念だった。林巨人(37)=愛知=が23日、地元の名古屋競輪場で引退した。
 突然の発表に誰もが驚いた。ただ、本人は「昨年11月には気持ちが固まっていた。実家の建設業を継ぎます」とさっぱりした表情で話した。身長159センチと決して恵まれた体格とは言えなかったが、俊敏なレースと伸び脚でG1に幾度となく出場した名選手だった。
 そして迎えたラストシリーズ。2連勝で勝ち上がる。決勝は相手の近畿が4人で厳しい構成だったが、先輩の皿屋に全てを託し勝負。するとその皿屋が先行し、まくられると番手の南をさばく。ゴール前で抜け出し完全優勝を決め、最後の勇姿を見ようと訪れた関係者は大喝采だった。
 「いやあ、自分でもびっくり」が第一声。「確かに頑張ろうと思ったけど、優勝できるとは…」。S級では17年5月豊橋以来のV。さらに、完全優勝は初めて。最後のレースで、これ以上ない結果を残した。
 無我夢中だったと話す林だが、南をブロックするなどやはり運びは的確。まだやれそうな気もするのだが、「もう決めたことですから。次の仕事で頑張るだけ」。確かにガッツとクレバーさを併せ持つ林なら、次のステージでもしっかりとやっていける。
 所々で目が潤む場面はあっても、明るい性格の林らしく涙は見せなかった。これからは新たな場所で頑張ってほしい。そう思わせるだけの人間力を持っていた。それは集まった関係者の笑顔を見れば一番、よく分かる。(西崎英亮)

関連キーワード

PR情報

購読試読のご案内

プロ野球はもとより、メジャーリーグ、サッカー、格闘技のほかF1をはじめとするモータースポーツ情報がとくに充実。
芸能情報や社会面ニュースにも定評あり。

中スポ
東京中日スポーツ