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折り紙マン 紙技発信 オリジナルの兜や鬼 作り方動画に 金沢「紙文房あらき」6代目 荒木さん 魅力紹介

2021年3月31日 05時00分 (3月31日 05時03分更新)
折り紙の作り方を動画で紹介している荒木崇さん。頭にかぶっているのは巨大折り紙の「鯰尾兜」=金沢市青草町の紙文房あらきで

折り紙の作り方を動画で紹介している荒木崇さん。頭にかぶっているのは巨大折り紙の「鯰尾兜」=金沢市青草町の紙文房あらきで

  • 折り紙の作り方を動画で紹介している荒木崇さん。頭にかぶっているのは巨大折り紙の「鯰尾兜」=金沢市青草町の紙文房あらきで
  • 折り紙の作り方を紹介するユーチューブの動画

 紙や文具を扱う「紙文房あらき」(金沢市青草町)の六代目、荒木崇さん(40)が折り紙の作り方を編み出し、魅力を発信している。人呼んで「オリオリ折り紙マン」。新型コロナウイルス禍をきっかけに、動画共有サイト「ユーチューブ」でも折り方を教える動画を精力的に公開し、一枚の紙から広がる世界を楽しく伝えている。 (高橋雪花)
 スッスッ。荒木さんのごつごつした手が、金色のもみ和紙でできた折り紙を迷いなく折っていく。角をそろえ、折り目を付ける。三十六の工程を経てあっという間に完成したのは、前田利家公が愛用した縦長の「鯰尾兜(なまずおかぶと)」。荒木さんのオリジナルで、立体感があり、どこから見ても楽しめる。
 鬼の顔や猫など、今までに十五種類の折り方を開発した。特に難易度が高いのは牛で、鶴の十倍の百工程ほどに上る。制作には一時間かかる。「作っていると時間を忘れ、あっという間に過ぎていく」
 店は江戸末期の一八二七(文政十)年に創業し、加賀藩主の前田家に和紙を献上していた。老舗の店に生まれた荒木さんだが、当初進んだのは工芸の道。県立工業高校(同市)の陶芸コースを卒業後、栃木県の文星芸術大に入り、陶芸にいそしんだ。
 二〇一一年に帰郷し店を切り盛りすることになったものの、紙の知識はゼロだった。種類ごとに異なる質感を覚える訓練にと、取り掛かったのが折り紙。物作りの腕を店の景気付けに生かしたいという思いもあった。まずは竜を二百個作るうち、だんだん慣れてアレンジを加えられるように。店頭に飾ると客が喜んだ。
 新型コロナウイルスの影響で観光客が減ったことを受け、発信力を強化しようと一月末からユーチューブの動画投稿も始めた。臨場感を演出するため、紙を折る際の実際の音もとっており、家族が寝静まった夜中に自宅で収録する。
 「ステイホーム」が定着する中、折り紙を購入した客からは「心がすさんでいたけど、楽しい気分になった」との声も上がる。店ではお手製の指南書付きキットも販売している。荒木さんは「折った後も、家に飾ったりといろんな楽しみ方ができる。どの世代の人にも、折り紙を通じて楽しい気持ちになってほしい」と語る。

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