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【大相撲】照ノ富士復活V 「辞めようかな」と何度も漏らした過去も…”家族のような2人”の存在が支えに

2021年3月29日 06時00分

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照ノ富士(中)と家族のような存在として支えた元駿馬の中板秀二さん(左)と呼び出しの照矢(中板さん提供)

照ノ富士(中)と家族のような存在として支えた元駿馬の中板秀二さん(左)と呼び出しの照矢(中板さん提供)

◇28日 大相撲春場所千秋楽(東京・両国国技館)
 逆境から一心不乱に押していった。前へ、前へ。照ノ富士は立ち合いで貴景勝の腕をたぐったが失敗。土俵際へ追い込まれたが、土壇場から底力を発揮した。最後は大関を力強く土俵外へと吹っ飛ばした。
 負ければともえ戦の優勝決定戦だったが、本割で関脇以下では初となる3度目の優勝を決めた。「ホッとしています」。正直な気持ちだろう。後半戦になると、爆弾ともいえる古傷の膝に強い痛みが出た。「常に痛みはありますから。付き合ってやるしかない」。連日、病院で治療を受け、土俵に上がった。
 終わってみれば3大関を全て撃破。直近3場所で計36勝と大関再昇進へ文句なしだ。史上最大の序二段からの復活劇。陥落直後の場所で10勝を挙げた力士以外では、現在のかど番制度ができた1969年7月以降では77年の魁傑以来、史上2人目の大関復帰が事実上、決まった。
 家族のような2人に支えられた。関取になってから付け人を長らく務めた元幕下・駿馬の中板秀二さん(39)=現介護職員=と呼び出しの照矢。間垣部屋時代から一緒だった2人から、当初は土俵外のことなどで厳しく指導された。口うるさいと思ったが、伊勢ケ浜部屋へ移籍したころ、全ては自身のためと気付いた。
 照矢は「『ぶっちゃけ嫌いだったんですけど、厳しく、口うるさく言ってたのが自分のためというのが分かりました。それはすごく良かったです。ありがとうございました』と頭を下げてきたんです」と振り返る。それから深い絆で結ばれた3人。番付を転がり落ちていく照ノ富士は苦しいとき、「辞めようかな」と何度も漏らした。たわいもない話で気を紛らわしたり、激励したりしてくれたのも2人だった。
 八角理事長(元横綱北勝海)は「優勝するべくして優勝している」と、さらなる活躍に期待を寄せた。もちろん大関がゴールではない。「一場所、一場所、精いっぱい頑張れば次につながると思っている」と照ノ富士も言う。その上の地位も狙える強さを十分に備えている。

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