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ランドセル修理 善意詰め 全国へ安価で販売 4年で500個

2021年3月28日 05時00分 (3月28日 11時14分更新)
ランドセルを修理する木下成久さん=石川県白山市で

ランドセルを修理する木下成久さん=石川県白山市で

白山の木下さん、車修理業の傍ら
「技術で人助け、子ども笑顔に」

 経済的な理由などで新品のランドセルを買えない子どもたちのために、石川県白山市の自営業木下成久さん(55)が、使われなくなったランドセルを修理して安く販売している。地元の子ども食堂では子どもたちと交流を深めており、子どもたちから「ランドセルおじさん」と呼ばれている。活動を始めてから四年間で、修理したランドセルは五百個近くに上り、北海道から沖縄県まで全国の子どもたちに届けている。(堀井聡子)
 「本当は無償で修理してあげたいけど、少しだけお金をいただくことで責任を持って『わあ、きれい』って喜んでもらえるように修理しているんです」。木下さんはこう語る。
 子どもが小学校を卒業するなどして、役目を終えたランドセルが県内外から木下さんの自宅に届く。中には背中に当たるベージュ色の革の部分が少し黒ずんでいるものも。「六年間の汚れがたまっているんで。でも、きれいにすればまだまだ使える」。普段は自動車の内装修理業を営んでおり、革張りの座席の修理などをしていることから、クリーニングはお手の物。持ち主の名前が書かれた部分は、生地と似た色の塗料を塗って目立たなくしている。
 新品の平均購入額は五万円台。木下さんは送料込みで二千〜三千円程度で販売している。
 「自分の技術を使って人の助けになりたい」。そう考えていた二〇一七年、ランドセルの修理を思い付いた。当初はインターネットオークションで中古を購入し、修理してインターネットで販売していた。
 始めて一年ほどたったころ、木下さんが金沢市平和町の「平和こども食堂」を訪れたのを機に、食堂で展示販売をすることに。毎回十個ほど持って子どもたちと交流するうちに、いつしか「ランドセルおじさん」と呼ばれるようになった。
 母子家庭の親子が買いに来て、男の子が自分で選んだランドセルをうれしそうに背負って帰った姿が忘れられない。活動を知ったシングルマザーが、卒業した子どもの分を譲ってくれたこともある。「次の子にも使ってもらえるように、前の持ち主から自分が責任を持って引き継ぐ。譲ってくれた善意も一緒に」。ランドセルの修理は、もはや木下さんのライフワークだ。
 今では不要なランドセルを集めるのに、県内外の子ども食堂が協力してくれている。各地の食堂に寄せられた物が木下さんに送られ、木下さんは売り上げの一部を協力金として、各食堂に寄付している。
 コロナ禍で平和こども食堂での展示販売はできないが、インターネット販売は続けている。木下さんは「子どもたちが笑顔になれるお手伝いができれば」と、これからも善意の詰まったランドセルを届けていく。

【石川テレビであす夕特集】

 北陸中日新聞は石川テレビ放送と「守る」という言葉をもとに取材し、共同報道企画「守る」を連載しています。石川テレビの特集は29日午後6時9分からの「Live News イット!」で放送します。
◇木下さんが修理したランドセルを紹介しているホームページ
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