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山口さよさんの在宅41年(上)追記 高島碧(東海本社報道部)

2021年3月28日 05時00分 (3月28日 05時01分更新)
重度障害者で自立生活を送る山口さよさんと愛猫「しずく」のツーショット=三重県四日市市で

重度障害者で自立生活を送る山口さよさんと愛猫「しずく」のツーショット=三重県四日市市で

 重度障害がありながら人とのつながりを支えに自立生活を続けてきた山口さよさん(74)=三重県四日市市=は、人づき合いの達人でもあった。彼女が語る言葉は、人との交流から生まれてくるものばかりだった。

幸せなひとりぼっち

 ある時、ふと部屋のボードに張った「幸せなひとりぼっち」と鉛筆で書いた紙切れが目にとまった。尋ねると、自分の言葉ではないそうだが話し始めた。「人はいつでも寂しさを抱えてる。その寂しさを子育てや家族で埋め合わせると言ったって、結局その寂しさはなくならないよね」。子育ての経験はなくても人の経験を広く、深く聴き、彼女なりの理解をしているのだと思う。
 人の悩みばかりを聞かされて、疲れないのだろうか。「私、学校行ってないやん。子供のころから、私を世話しにくる親戚の愚痴を聞かされるターゲット。だから、聞くのは慣れてる」。日々の楽しみを聞くと「誰か一人でも来てくれて話をして、その人が『あーすっきりした。さよさんありがとう』ってなる一日だね」と笑った。
 長期間の取材で、印象に残る出来事があった。あるとき私の言葉遣いがきっかけで、さよさんに不快な思いをさせてしまった。元三重大生の介助者の失敗談...

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