イチロー・松井に続く大記録…日米通算“1万打席目”で勝利呼ぶ四球 福留のバットは開幕の緊張下でも制御された
2021年3月27日 11時00分
◇渋谷真コラム・龍の背に乗って ◇26日 広島6-7中日(マツダ)
フルカウントからの外角への際どい144キロを、さも当たり前のように見送った。一塁へゆっくりと走り、代走・岡林と交代。代打・福留の四球から、打線は一気につながった。
8回、1死二塁が出番だった。復帰後初にして、通算7724打席。彼には大リーグでの2276打席がある。つまり日米合算で節目の1万打席をクリアした。NPBでは史上9人だけ、日米合算でもイチローと松井秀喜に続く大記録だ。
「9人しかいないんですか? そんなに立ったのか…。自分のことながら、1万という数字はすごいと思いますね。どの打席がって言われたら、そりゃ初打席です。強烈に覚えています」
どんな記録にも「1」がある。福留の場合は1999年の開幕戦(4月2日)だった。鳴り物入りのルーキーは、同じ広島を相手に「2番・遊撃」で先発出場した。
「むちゃくちゃ緊張したんです。で、相手が(ネイサン)ミンチーでしょ? とにかくデカかった!」
203センチ、118キロの巨漢右腕の球を捉えたが、初打席は中飛に倒れた。初安打が出たのは2日後、12打席目のことだった。
それにしても価値ある四球だった。大瀬良にとって、この日唯一の四球。規定投球回数をクリアした2年前は、リーグトップの与四球率(1・82)だった。この時点で4点差。大瀬良からすれば絶対に走者をためたくない場面で、福留は四球をもぎ取った。日米合算で1290四球。打席数が近い立浪和義(1万33打席で1086四球)、四球が多くなりがちな8番が主戦場だった谷繁元信(1万336打席で1133四球)より多い。
「余裕なんてなかった。必死でしたよ。昔と変わらず、開幕の日は特別。何回やってもすごく緊張するんです」
21歳の頃と同じように開幕戦は高ぶるが、43歳の福留は制御できるからバットが止まる。1万打席立った男ならではの四球だった。
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