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予想を遙かに超える技能と根性…若隆景はお見事 高安も良かったが我慢できなかった【北の富士コラム】

2021年3月27日 05時00分

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若隆景(手前)に寄り倒しで敗れる高安

若隆景(手前)に寄り倒しで敗れる高安

 優勝に関わる3番の相撲が行われた13日目。
 まず2敗で先頭を行く高安が、今場所目覚ましい活躍を見せている新鋭若隆景の挑戦を受けた。これまで3度対戦しているが、意外にも若隆景が2勝1敗とリードしている。場所前の合同稽古でも高安が若隆景を指名して三番稽古をやっていたらしい。これは明らかに対戦を予期してのものだったのだろう。
 過去の対戦は分が悪かったとは言っても、今場所の高安は充実しているので落ち着いて取れば、負けることはないと予想していたが、見事に私の予想は外れた。
 両者互いに良い立ち合いを見せた。捕まえに出ると見ていた高安が突っ張った。若隆景も果敢に突っ張りと追っ付けで応戦する。体力のある高安が攻め込む。若隆景も一歩も引かずに攻め返す。はるかに小さい若隆景だが元大関に堂々と真っ向勝負で渡り合う根性は誠に見事なものであった。
 引かずに回り込み横攻めで高安の体勢を左右に動かす。高安が少しずつ落ち着きを失っていく。そしてついに我慢しきれず左から抱え込んで小手に振った。
 そこを若隆景がまるで待っていたかのようにピタリと体を寄せて、鮮やかに寄り倒した。高安も決して雑な相撲を取った訳ではないが、若隆景の守りのかたい左右の追っ付けと、速い動きに翻弄(ほんろう)されてしまった。
 私は今場所は早くから若隆景の緻密な相撲に注目し期待をしていたが、私の予想をはるかに超える技能を発揮してくれた。決して大きい方ではなく、むしろ小兵の部類に入る力士だが、足腰の良さと体幹の強さで力負けすることがない。これまでは3兄弟の話題が中心だったが、今場所の活躍で一気に人気力士の仲間入りである。26歳とまだ若いが相撲ぷりといい、土俵上の所作、雰囲気は昭和の良き時代の力士を感じさせてくれる。
 高安は思わぬ伏兵に一矢報いられ、優勝争いはすんなりとはいかなくなった。残る2番も気持ちを切らせないことだ。
 照ノ富士は正代を全く寄せ付けず、ついに高安に並んだ。朝乃山には負けたことはなく千秋楽の貴景勝との一戦も、今の貴景勝にはまだ照ノ富士を一気に攻める馬力が不足している。私は3敗同士で決定戦になる公算が大と見ているのだが、果たして最後に笑うのは誰だ。しかしあと2番残されている。楽しみである。
 ところで本日、私はテレビ放送が休みと思い込んで昼寝をしてしまい、穴を空けるところであった。部屋着のままやっとのことで事なきを得ました。これはボケてきた証拠のような気がする。ボケても腹は減る。熊本の豚骨ラーメンですまそうか。何だかこのところ飯を食うのも面倒くさくなってきたようだ。またコロナ感染者が激増してきた。イヤな世の中である。(元横綱)
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