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静岡市議選 投票率低下に苦慮

2021年3月27日 05時00分 (3月27日 05時03分更新)
 二十八日投開票の静岡市議選(定数四八)で、投票率の行方が注目されている。政令市になる直前の二〇〇五年から下がり続け、今回は三割台に落ち込む可能性も。専門家は「選挙制度が形骸化してしまう」と警鐘を鳴らし、市選管は視点を変えた啓発活動で改善を目指す。 (中川紘希)
 「知事や国会議員なら違うけど、市議は政策を知らないし顔も分からない。投票には行かない」。駿河区の三十代女性はそう話す。同区の会社員の二十代男性は子育てに忙しいというが、「政治が支援してくれるとも思わない。どんな選挙でも投票しようと思ったことがない」と明かした。
 一方、期日前投票に訪れた清水区の六十代男性は「投票して何が変わるのかは分からないけれど、自分がまちづくりを考える機会を持つためにも、投票は大事だと思う。投票した候補者が当選したら、その政策や行動に関心を持つようにもなる」と語る。
 静岡市議選の投票率は〇五年は五割を上回っていたが、一三年には五割を切り、一七年は41・16%となった=グラフ参照。市選管の担当者は「若い人の投票率が低い」と話す。全国的にも似た状況で、統一地方選の市町村議選挙の投票率は一九九九年から低下が続く。二〇一五年は47・33%だった。
 市選管は投票率50%を目標に掲げ、啓発活動に躍起だ。子育て世代の投票率を高めようと、小学校に投票所入場券に似せたチラシを配り、親子で選挙の仕組みを学んでもらうように促した。高校生には選挙を分かりやすく紹介する冊子「選挙トリセツ」を配布した。
 静岡大人文社会科学部長の日詰一幸教授(行政学)は「庁舎移転など課題がある清水区を除き、駿河区と葵区では争点が見えにくく、(50%)達成は難しいだろう。ただ、選挙に関心がある層も一定数おり、前回より下がることはないのでは」とみる。
 一方、日詰教授は「投票率が低くても当選すれば議員になれるのが今の制度。ただ、少ない民意だけが反映された形での代表者になると、選挙制度が形骸化してしまう」と危惧し、「新型コロナウイルス対策や生活困窮者支援など本当は争点がある。各候補者は、より具体的で有権者の関心を向かせるような政策を訴えるべきだ」と指摘する。有権者に対しては「権利を放棄せず、責務として一票を投じてほしい」と述べた。

◆期日前利用 最高見通し

 二十八日投開票の静岡市議選で、期日前投票は二十五日までの累計で計三万三千三百四十一人に上った。市議選で同制度が始まった二〇〇五年以来過去最高の利用者数だった前回を、二割以上上回るペースとなっている。
 期日前投票は告示翌日の二十日から開始。二日目となる二十一日の日曜は雨が激しく、前回より約千六百人少なかった。だが、六日目の二十五日までの累計では前回を六千六百人(25%)上回っている。
 市選管によると、コロナ禍で、混雑を避けたい有権者が利用したためとみられる。市も積極利用を呼び掛けており、担当者は「期日前投票所五カ所で期間を二日間増やし、六カ所で時間を伸ばした。その成果も出ている」と話した。
 期日前投票は市役所静岡庁舎など十一カ所で二十七日午後八時(六カ所は同七時)まで行われている。

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