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白亜紀前期のトカゲ化石 恐竜博物館発掘成果説明  

2021年3月23日 05時00分 (3月23日 10時07分更新)

 勝山・北谷で希少な発見

発見されたトカゲ化石について説明する柴田主任研究員=22日、勝山市の県立恐竜博物館で(蓮覚寺宏絵撮影)

 勝山市の県立恐竜博物館は二十二日、同市北谷町杉山の恐竜化石発掘現場にある約一億二千万年前(白亜紀前期)の地層「手取層群北谷層」から、トカゲの化石四点が見つかったと発表した。白亜紀前期のトカゲ化石は世界でも発見例が極めて少なく、解明されていない同時期のトカゲの分類系統や進化の過程をひもとく鍵になるという。 (山内道朗)

確認されたトカゲ化石の(左から)左上顎骨、左歯骨2点、脳函

 館内で開いた二〇二〇年度の第四次恐竜化石発掘調査成果説明会で明らかにした。化石のうち三点は一八(平成三十)〜二〇年に見つかった左上顎骨(じょうがくこつ)(長さ二十ミリ、高さ十一ミリ、幅六ミリ)と、左歯骨(しこつ)二点(長さ三十ミリ、高さ十五ミリ、幅九ミリと長さ十七ミリ、高さ七ミリ、幅八ミリ)。〇九年の第三次調査で採集されていた化石も後頭部付近の脳函(のうかん)(長さ十三ミリ、高さ十一ミリ、幅十四ミリ)と判明した。
 県内で白亜紀前期の地層からトカゲの化石が発見されたのは、一九六六(昭和四十一)年に国内初の爬虫(はちゅう)類化石として福井市の手取層群小清水層で、テドロサウルス・アスワエンシスの全身骨格が見つかって以来という。
 上顎骨と歯骨はともに歯が大きく、歯と歯の間に隙間がある。白亜紀前期のトカゲの化石は石川県白山市や岐阜県高山市、兵庫県篠山市でも見つかっているが、この特徴はなくモンゴルで発見された種に似ている。脳を包む脳函は、当時のトカゲの脳の復元につながる可能性がある。
 同館の柴田正輝主任研究員は、世界の恐竜発掘現場の多くが当時、水で流された死体がたまった場所だとして「トカゲは陸生で、小さくて化石になりにくい」と発見が少ない理由を説明する。今後は「種を同定し、あごの形態的特徴に焦点を当てた研究で当時の環境解明に役立てたい」と展望。二〇一三年からの第四次調査で発見が相次いだため来年度以降の発見に期待した。
 二〇年度の調査は昨年七月二十七日〜九月二十一日に実施。百五十平方メートルを発掘し、貝類を除いて二千二百点の化石が発見された。うち恐竜類は百四点で、獣脚類六十九点、竜脚類十五点、鳥脚類十六点、よろい竜類一点、不明三点だった。
 トカゲの化石四点は二十三日から四月下旬まで、同館一階クリーニング室横で公開する。

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