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難病負けず 通学へ 酸素吸入必要な 金沢の谷畑真歩ちゃん

2021年3月22日 05時00分 (3月22日 10時00分更新)
散歩中に眠った谷畑真歩ちゃん(手前)を優しく見つめる母の由佳さん。真歩ちゃんは4月、県立いしかわ特別支援学校に入学、通学する=金沢市小坂町で

散歩中に眠った谷畑真歩ちゃん(手前)を優しく見つめる母の由佳さん。真歩ちゃんは4月、県立いしかわ特別支援学校に入学、通学する=金沢市小坂町で

特別支援学校入学 母「関わって成長を」

 酸素吸入や胃ろうによる栄養注入といった医療的ケアを受けている金沢市の谷畑真歩ちゃん(6つ)が四月、県立いしかわ特別支援学校(同市南森本町)に入学する。自宅での訪問教育ではなく、家族が希望していた通学が認められ、母親の由佳さん(36)は「同級生ら子どもたちとの関わりで成長する面もあり、うれしい」と話している。 (押川恵理子)
 長いまつげがチャームポイントの真歩ちゃん。「抱っこや音の鳴るおもちゃが好き」と由佳さんは目を細める。自力で立ったり、歩いたりできないため、障害児向けの車いす「バギー」を使っている。知的障害があり、言葉で意思を伝えられない。
 生後三カ月のころ、首の据わりが遅く、目と目が合うことが少ないことに由佳さんは不安を覚えた。市の三カ月児健診で相談。紹介された大学病院を受診し、小児の難治性てんかんである「ウエスト症候群」と診断された。国指定難病で、国内の患者は少なくとも約四千人と推測されている。診断後、一年一カ月に及んだ入院には由佳さんが付き添った。
 二歳の時、金沢こども医療福祉センター(同市吉原町)の通園施設「くれよんはうす」に通い始めた。その後、由佳さんは産後に退職した企業にパート従業員として復帰した。通園は週二回から始め、現在は週五回通えるようになった。通学を希望する背景には、くれよんはうすに通いだしてからの真歩ちゃんの変化がある。「感情表現が出てきた」
 くれよんはうすで、重度の知的障害者の感覚を刺激するため光ファイバーがさまざまな色に変化する装置の中に入ると、ニコッと笑い、終わると泣きだした。運動会では電動車いすで駆けっこに出場。本番に備え、家族に内緒で練習したという。自分でボタンを押して進む姿に「思わず涙が出た。家で過ごしていたらできなかった」と由佳さんは振り返る。春から学びやでの成長を期待している。

◇保護者の就業 影響が課題
医療的ケア児の付き添い

 文部科学省による二〇一九年十一月の調査では、全国の特別支援学校(幼稚部−高等部)に在籍し、医療的ケアを受けている児童生徒は計八千三百九十二人いる。うち74%の六千二百三十九人が通学し、二千百五十三人が自宅で訪問教育を受けている。ただ、人工呼吸器を着けている児童生徒の場合、通学は全体の35%の四百九十八人で、訪問教育(65%、九百三十四人)を下回る。
 県教委は医療的ケアの指針を作り、教育的支援の充実を進めている。本年度は担当の看護師十六人を採用。二〇年五月現在、県立特別支援学校(九校三分校)で医療的ケアを受けている児童生徒のうち四十人が通学し、三十四人が在宅訪問か分教室で学んでいる。通学の児童生徒のうち三人が酸素療法を受けている。また、人工呼吸器を着けて地元の公立小中高校に通う児童生徒も四人いる。
 子どもの就学先は原則、本人や保護者の意向を最大限に尊重した上で、障害の状態や必要な教育、地域の状況、専門家による審議・判断を踏まえて市町教委が決める。県立特別支援学校が就学先に選ばれると、校長と保護者が話し合い、通学か訪問教育かを決める。通学の場合も医療的ケアの状況によって保護者の付き添いが必要となるケースがあり、親の就業に影響するといった課題も残る。

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