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能登 高齢者も増えぬ 人口減 最終段階へ 

2021年3月20日 05時00分 (3月20日 11時23分更新)
 二十一日投開票の町長選が行われている中能登、宝達志水、能登の三町。いずれも二〇〇五年の町村合併による誕生以来、深刻な人口減少が続く。出生数の減少傾向に加え、老年人口(六十五歳以上)増加率すらも鈍く、「子どもや若者だけでなく高齢者も減る町」に近づきつつある。県内全八町のデータを比較し、選挙戦の重要争点となる人口減少の実態を探った。 (加藤豊大、稲垣達成、島崎勝弘)
 〇五〜二〇年の人口減少率は、中能登町が12%(二千四百六十七人減)、宝達志水町が20%(三千百七人減)、能登町が29%(六千八百六十九人減)。この間の宝達志水町の死亡数は約三千人と、いずれも主に高齢者とみられる自然減が著しい。
 一方で、その老年人口の増加率も、急増する加賀地方に比べると低い。能登町では、一五年の八千二十四人から二〇年には七千七百七十五人(国立社会保障・人口問題研究所による推計値)と、町の誕生以来初めて減少に転じたとのデータもある。年少人口(〇〜十四歳)や生産年齢人口(十五〜六十四歳)だけでなく老年人口も減少する人口減少の三段階プロセスの最終段階に、加賀地方に先んじて突入しつつある状況だ。
 人口維持に重要な出生数も減少傾向。最大五十万円の出産祝い金制度を設けるなど「子育ての町」を掲げる中能登町でも、一九年は九十人でピークの百五十六人(一〇年)から40%以上減った。一三〜一七年の合計特殊出生率(女性一人が生涯に産む子どもの推定人数)は一・八三と珠洲市と並んで県内トップだが、町健康保険課の道善まり子課長は「女性一人が産む数は増えても、出産適齢期の女性が少ないのでは」と推測し、厳しい現状を示唆した。

「移住しやすくして」有権者が要望

 3町の有権者に、新町長に望む人口減少対策を聞いた。中能登町高畠の辻屋舞子さん(35)は、小学1年と年中児の母親。子育て世代が移住しやすい環境の整備が効果的と考え「親がまず気になるのは子どもの遊び場。児童館でどんなことができるか分かるように情報発信してほしい」と要望。母親らが子どものそばで働ける環境づくりも求めた。
 宝達志水町荻市、和菓子店代表の谷口義則さん(55)は「(隣接の)かほく市は人口が増えていると聞く。宅地造成をして、若い人らが安く家を購入できるよう手厚く支援してほしい」と話した。
 一方、能登町宇出津の会社員、木村聡さん(46)は「人口減少は全国的にもある意味止めようがない問題だ。その中でも『にぎやかな過疎』を目指して、教育と移住促進を重視し、少ない人口でも一人一人が活躍できる持続可能なまちづくりという観点を大切にしてほしい」と語った。

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