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<ユースク> 「脱原発」8割望む 福島事故10年で増加傾向 全国地方紙協働アンケート

2021年3月13日 05時00分 (3月13日 05時01分更新)
 二〇一一年の東日本大震災と東京電力福島第一原発事故の発生から十年に合わせ、中日新聞「Your Scoop〜みんなの取材班」など読者参加型の報道に取り組む全国の地方紙は、連携してエネルギー政策と原発に関するアンケートを実施した。全国の約六千二百人が回答。今後の原発政策について、運転開始から四十年超の稼働は控えるなど、脱原発を望む回答が82・3%に達した一方、運転延長や増設、建て替えといった「原発容認」は14・9%にとどまった。
 原発政策についての回答として、「運転延長は控え、基数を減らしながら活用」「積極的に廃炉とし、脱原発を急ぐべきだ」「すぐにでも廃炉に」の各項目を合わせた「脱原発」の意見が82・3%に上った。
 福島原発事故からの十年間で、原発に対する考え方の変化も尋ねた。「今も変わらず反対」が最多の44・8%。次が「賛成でも反対でもなかったが、反対に傾いている」(13・9%)。「賛成だったが、一定程度縮小しても良い」(12・3%)、「賛成だったが、今は反対だ」(10・2%)と続き、脱原発を望む層が増えてきた傾向がうかがえる。
 事故発生の一一年三月時点で国内の原発は十七原発五十四基。老朽化もあり、このうち二十一基の廃炉が決まり、再稼働したのは九基にとどまる。
 原子力規制委員会の審査を終えた原発再稼働の同意・了解について尋ねると「立地自治体に加え、周辺自治体も加えるべきだ」が86・1%で、幅広い合意形成を望む意見が大勢を占めた。
 原発から半径三十キロ圏内の自治体が定める避難計画の実効性確保についても「難しい」「どちらかと言えば難しい」が合わせて57・5%の一方、「可能」「どちらかと言えば可能」は計18・2%にとどまった。
 菅義偉首相は「温室効果ガス排出量を二〇五〇年までに実質ゼロにする」と目標を掲げ、電源構成などを定める国のエネルギー基本計画の議論も始まった。
 それに関連し、温室効果ガスの削減手法を複数回答で聞いたところ、「洋上風力など再エネ拡大」(73・2%)、「電気自動車(EV)など需要面の変革」(48・7%)、「液化天然ガス(LNG)など二酸化炭素(CO2)排出量が少ない火力の活用」(39・4%)と続いた。
 アンケートは年代や男女比などを考慮した一般の世論調査とは異なり、本紙など地方紙十四紙が紙面や無料通信アプリ「LINE」などを使って二月八〜十七日の間に呼び掛けた。四十七都道府県の六千二百四十八人が回答。平均的な回答時間は約二十二分だった。

脱原発理由に「核ごみ」

 明治大の勝田忠広教授(原子力政策)の話 福島第一原発事故から十年で「脱原発」を求める理由は変わってきた。かつては恐怖心が先に立ったが、今は未解決の「核のごみの問題」を掲げる人が増えてきた。実際、事故前を大きく下回る基数の原発稼働が常態化する中、「それほど必要ではない」という冷静な見方が拡大した。ただ、こうした声はあまり政策に反映されておらず、政府が原発を推進しようとすれば、理由を丁寧に説明する必要がある。もちろん再生可能エネルギーの推進も重要だが、省エネなど暮らしの見直しからまず始めたい。「エネルギーは何のために必要なのか」を考えなければ、事故の教訓は生かされない。
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