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MGC4秒差に泣いた小原怜「笑顔でゴールしたことない」過酷なマラソン人生…悲願初Vで弱い自分と決別を

2021年3月11日 06時00分

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悲願のマラソン初優勝へ走り込む小原

悲願のマラソン初優勝へ走り込む小原

◇名古屋ウィメンズマラソン連載「次世代日の丸バトル」第3回 小原怜(天満屋)
 名古屋ウィメンズマラソン(中日新聞社など主催)が、14日にバンテリンドームナゴヤ発着で行われる。今夏の東京五輪マラソン女子代表は決定済みだが、今大会には2016年リオデジャネイロ五輪代表や、東京で補欠に回った実力者、そして24年パリ五輪を狙う次代のホープと、多士済々の顔ぶれが集結。42.195キロに懸ける有力選手の思いを紹介する。
 小原ほど過酷な競技人生を歩むランナーはそうはいない。リオデジャネイロ五輪の代表が懸かった2016年名古屋では1秒差、19年の東京五輪代表選考会・マラソングランドチャンピオンシップ(MGC)では4秒差に泣き、代表の座を逃した。「いまだに笑顔でゴールしたことがない。借りがいろいろありすぎて」と万感をこめる。
 走れば上位に入る。力は誰もが認めているが、「優勝」や「五輪」まで突き抜けられない。天満屋の武冨豊監督(67)は「小原は人がいい。苦しいときに前を引っ張って、大事なところで遅れてしまう。それを繰り返してきた」と語る。数々の惜敗は勝負師としての意識に欠けるからだと厳しい。小原も精神面の弱さを自覚している。
 迎える4度目の名古屋。東京五輪代表を決めた天満屋の後輩・前田穂南の存在も今の小原を後押ししている。「(うらやましいと思う気持ちも)あったといえばあった。でも前田は本当にすごい。五輪延期で葛藤や苦労があっても、それを表には出さず、淡々と私にはできないような練習をしている。引っ張ってもらっている」
 五輪代表を逃したショックは小さくない。それでも、葛藤を乗り越える前田を見習い、泣き言は封印した。「私にも意地がある。きつくても怒られても、次の日は練習に出る。そういう意地ですね」。昨秋にはトラックの5000メートルで自己ベストを更新。弱い自分とは決別しつつある。
 気付けば30歳。3年先のパリ五輪はまだ頭の中にはない。「ごちゃごちゃ考えてもよくない。自分の力を出し切る。五輪の補欠としての役割を果たしていけるようなレースにしたい」。悲劇の主人公はもうたくさん。マラソン初優勝を虎視眈々(たんたん)と狙っている。
▼小原怜(おはら・れい)1990(平成2)年8月10日生まれ、岡山県倉敷市出身の30歳。165センチ。岡山・興譲館高出。天満屋所属。2015年世界選手権は1万メートルで22位。2度目のマラソンの16年名古屋は2時間23分20秒で3位に入った。19年大阪は2位。MGCは3位。東京五輪代表は逃し、補欠に回った。

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