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災害デマ対策 静大准教授が島田中で体験講座

2021年3月11日 05時00分 (3月11日 05時03分更新)
災害時のSNSの投稿について、教材を使い議論を交わす生徒ら=静大付属島田中で

災害時のSNSの投稿について、教材を使い議論を交わす生徒ら=静大付属島田中で

 静岡大教育学部塩田真吾准教授(39)の研究室と一般財団法人「LINEみらい財団」は、災害時などに会員制交流サイト(SNS)で流れるデマとの向き合い方をゲーム形式で学ぶ教材「情報防災訓練」を共同で開発し、ホームページで無料公開を始めた。合言葉は、誰が、いつ発信したか、複数の情報かを確認する「だいふく」。十日には同大教育学部付属島田中学校(島田市)で教材を使った体験型講座が卒業前の三年生百八人を対象に開かれた。 (大橋貴史)
 東日本大震災では「外国人による犯罪が横行している」、二〇一六年の熊本地震では「動物園からライオンが逃げた」、コロナ禍ではトイレットペーパーが品不足になるなどのデマが拡散。悪意なく差別に加担し、社会問題となる場合もある。
 情報防災訓練は災害時にデマに流されて「リツイート」などで拡散する側に回らず、情報を見極める力を養う。具体的には、誰が、いつ発信したか、複数の情報かを確認することで、頭文字から「だいふく」を作った。
 教材は、SNSを使い始める小学校高学年から中学生が対象。発信者や時間などが異なるSNS風のカード八枚を「だいふく」の基準に照らし、信頼性の高い情報かどうかを考える。発信者は市役所、ニュース、一般人などさまざまだ。
 例えば、「防災大の先生から聞いた話だと、『前回の台風と比べるとたいしたことないから、普段の生活をしてください』だそうです」のカードは、「信頼性が低い」。市役所が、川が避難判断水位に近づいていることを根拠に、避難を呼び掛けるカードは、「信頼性が高い」とする。
 体験講座では、大型台風が近づき、情報を集めているという想定で、生徒はどんな情報を拡散してもいいかを四人一組で検討。「公式マークの付いた市役所やテレビ局のアカウントは信頼できる」「『○○から聞いた話だと』と書かれており伝聞はあやしい」などと意見を言い合った。
 塩田准教授は「まとめサイトや大学教授を名乗るアカウントには特に注意が必要」と指摘。「過去の投稿や他の情報と照合した上で判断しなければいけない」と注意を促した。
 藤谷由衣さんは「発信する際は特に注意したい」。村松恒之介さんは「学んだことを生かしてSNSと付き合っていければ」と語った。
 塩田准教授は「デマの怖いところは、悪意よりも善意で拡散する。見極める力を養えば、SNSのいいところを使える人材が育つ」と話す。教材は塩田准教授の研究室ホームページから、生徒用ワークシート、指導者用のガイド本などをダウンロードできる。

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