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パニックだった大みそか…集団感染した荒汐部屋が春場所の土俵に戻ってくる 親方「精神面が一番心配でした」

2021年3月9日 06時00分

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福島県出身の(右から)若隆元、若隆景、若元春、丹治。=東京都中央区の荒汐部屋で

福島県出身の(右から)若隆元、若隆景、若元春、丹治。=東京都中央区の荒汐部屋で

 新型コロナウイルスに集団感染した荒汐部屋が春場所の土俵に戻ってくる。電話取材に応じた師匠の荒汐親方(元幕内蒼国来)は、「彼らの精神面を一番心配していました。心の支えになることしか考えていなかった。今は以前と変わらない稽古ができているので精いっぱい頑張ってほしい」と活躍を願った。
 若隆景の感染が判明したのは昨年12月31日。すぐに部屋全体でPCR検査を受け、その日のうちに親方、若隆景を含む所属力士全10人と床山の感染が分かった。
 「私もパニックというか、どうしたらいいか分からなくなった」という親方だったが、元日から対処。2日から持病のある力士から順に7人が入院できた。親方も入院したが「2時間ごとに(力士へ)電話していました。2時間前は何もなくても急変するので」と自分より弟子を案じた。
 「全身、痛くて寒けもすごくて。(熱も)すぐに40度近くまで上がったりとか。味覚障害、嗅覚障害もあった」という若隆景らが心配だった。それでも重症者は出ず、初場所前にほぼ全員が後遺症もなく退院できた。
 コロナ禍で親方の引退相撲も延期。昨年春場所を最後に現役を引退し、今年の10月2日に引退相撲を予定していたが「今の状態では間に合わないので来年10月2日に」と延期を余儀なくされたが、中国からの観光客に来てもらう計画もある。
 中国内モンゴル自治区から2003年6月に来日した親方。翌日には荒汐部屋の名古屋宿舎へ向かった。その日の夜、師匠と出かけた焼き肉屋に元横綱曙(当時親方)がいた。「あまりに大きくて怖かった。来週は(国へ)帰ってるんだろうなと思いました」と衝撃を受けた。そのとき曙からもらった1万円のおこづかいを、「運気がいいから」とお守りにして稽古に励んだ。引退相撲はそこから始まった力士生活の節目となる。
 今年の春場所には特別な思いもある。東日本大震災から10年。弟子には福島県出身力士が4人いる。史上初の3兄弟同時関取を目指す幕内の若隆景、十両の若元春、幕下の若隆元。そして序二段の丹治。3兄弟には昨年12月に「大波三兄弟福島後援会」が発足。「コロナで福島の方と交流はできませんが、元気づけられれば。いずれまた福島で合宿もしたいと思ってます」と親方。活躍はそのまま被災地へのエールになる。

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