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レギュラー奪取狙う中日・根尾 あえて変えていた“打席での景色” 思考、工夫、模倣…試行錯誤に感じる成長

2021年3月8日 11時23分

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根尾の打席立ち位置。対左投手(左側)と対右投手(右側)

根尾の打席立ち位置。対左投手(左側)と対右投手(右側)

◇渋谷真コラム・龍の背に乗って

◇7日 オープン戦 中日3―2楽天(バンテリンドームナゴヤ)
 2日で現役沢村賞投手を3人も見られる幸福。6日に投げた田中将と大野雄は、2005年夏の甲子園決勝で戦った仲でもある。
 「といっても、僕、甲子園6試合で1球も投げてませんけど」。京都外大西高の17番はベンチにいた。視線の先にいた駒大苫小牧の11番も2年生。だが1年後の夏、田中将がハンカチで汗を拭くイケメンと演じた死闘を、大野雄は見てもいない。青春を謳歌(おうか)していたそうだ。
 現在の野球界を背負うこの黄金世代から、干支(えと)で一回り下なのが根尾たちだ。夏の甲子園は第100回記念大会。選ばれし球児は、春夏連覇を達成した。あれから3年。思い描いたポジションとは少し違うが、レギュラー奪取に挑んでいる。
 根尾の試行錯誤は、打席の立ち位置に表れている。この日は左の早川(左前打)、渡辺佑(一ゴロ)、右の菅原(空振り三振)の3打席。右投手のときは捕手側の白線を左足で踏むが、左投手だと2、30センチほど投手寄りに立つ。チームでは大島や京田が同じことをやるが、球界では極めて少数派だ。投手がプレートの踏み位置を変えるのに勇気がいるように、打席での景色が変わることに抵抗があるからだ。
 なぜ左投手のスライダーにバットが止まらないか。考えた根尾が「去年からいろいろな人に話を聞いた」中の1人が大島だった。大島の答えは「逃げていく球が曲がりきる前にたたきたい。それと外の球が近くに見えるから」。止まる人の話に納得し、風景を変えることを決断した。
 「左からどう打つかを考えて取り組んでいるので」。早川からの適時打は外角へのカットボール。曲がりきる前にとらえられた。なおかつ、目を引くのは彼のアレンジ力だ。走者の盗塁失敗のため、打席にはカウントされなかった7回。下手投げの牧田と対した5球は、右なのに左の位置に立っていた。
 「サイドスローの投手のときも投手寄りに立つことが多いし、バットを短く持ったりもしています」。恐らくは浮き上がる前に打ちたいという思い。思考、工夫、模倣。ああ、根尾は育っている…。そう思える1日だった。

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