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<すっきりさせます>(43) 美濃・片知川の中州になぜ桜の木?

2021年3月8日 05時00分 (3月8日 11時14分更新)
片知川の中州に植わる満開の桜=2020年4月2日、美濃市片知で(山田さん提供)

片知川の中州に植わる満開の桜=2020年4月2日、美濃市片知で(山田さん提供)

  • 片知川の中州に植わる満開の桜=2020年4月2日、美濃市片知で(山田さん提供)
  • 飛行機が墜落したとされる付近を指し示す武藤さん=美濃市片知で 
  • 米軍機の墜落を報じる1954(昭和29)年7月24日付中部日本新聞朝刊(9版)社会面の記事=県図書館蔵
 美濃市片知を流れる板取川の支流、片知川。さかのぼっていくと突然、中州に桜の木十数本が立っている。春になると川の真ん中をピンク色に染め、幻想的な風景を演出する。だが、本来なら桜どころか木も生えないような場所。誰が、どうして植えたのか。そこには、戦後の混乱期に埋もれたある出来事があった。
 板取川との合流点から五キロほど上流にある板山の集落。渓谷が美しい片知川に突如、中州が現れる。ササが生い茂り、合間から桜の木が生えている。
 板山の出身で、写真愛好家の山田喜久男さん(72)=関市巾=は昨年十二月、下牧地域ふれあいセンター(美濃市片知)で桜の写真展を開いた。「中州に桜とは珍しい。みんなに知ってもらいたいと思った」と話す。なぜこんな場所に桜があるのだろうか。
 「あれは米軍のヘリコプターが降りた記念だよ」。こう説明してくれたのは、中州の前に住む武藤正美さん(84)=同市片知。「それはそれはお祭り騒ぎだった」。どういうことか。首をかしげる記者に、武藤さんは静かに語り始めた。
 一九五四(昭和二十九)年夏のある日の昼下がり、農作業をしていた武藤さんの頭上を低空でプロペラ機が通過した。ほどなく、上流で魚...

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