本文へ移動

【石川】外国人の葬儀 支えたい 加賀・インド人男性 NPO設立へ

2021年3月7日 05時00分 (3月7日 10時56分更新)
外国人の葬儀支援のNPO法人を立ち上げるラビンダー・シングさん(左)や協力する張麗君さん(左から5人目)ら=石川県加賀市で

外国人の葬儀支援のNPO法人を立ち上げるラビンダー・シングさん(左)や協力する張麗君さん(左から5人目)ら=石川県加賀市で

寄付募り費用に 手続き代行や相談も

 外国人が葬儀を営む際の言葉や文化の壁、高額な費用負担を解消しようと、石川県加賀市のインド人、ラビンダー・シングさん(38)が葬儀支援に特化したNPO法人の立ち上げを計画している。手続きの代行や相談のほか、全国の外国人や外国人を雇用する企業などから寄付を募り、困窮者の代わりに葬儀費用を支払う仕組みを検討している。(長屋文太)
 「一人で来日し、お金がない外国人がいっぱいいる。友達が亡くなっても、葬儀さえできない」。シングさんは病気や事故で亡くなった技能実習生たち、仲間を送り出す人たちを思い、有志で百人以上の葬儀を手伝ってきた。バングラデシュやネパール、インドネシア…。出身国はさまざまだ。
 シングさんは十五年前、貿易関係の仕事をする家族を手伝うため来日した。名古屋市で働いていたが、日本人女性との結婚をきっかけに八年前、加賀市に移り住んだ。現在は中古自動車販売、インドとのビジネス仲介業などを営む。
 葬儀には火葬だけでもひつぎや搬送費用などで二十万〜三十万円かかる。宗教上の理由で、土葬を選ぶ人もいる。遺体を母国に搬送すれば、さらに数百万円かかる。「業者とのやりとりは大変。相場以上の支払いになることもある」とシングさんは指摘する。
 国内では約二百九十万人の外国人が暮らし、年間約七千五百人が亡くなっている。にもかかわらず、外国人の葬儀の問題に対応するNPO法人は全国にほとんどないという。新型コロナウイルス禍で困窮する外国人は増えており、シングさんは妻や県内外の友人らに呼び掛け、NPO法人の設立を決めた。自らのニックネーム「ハムザ」にちなんで「863(ハチロクサン)」と名付け、県に法人の認可を申請した。
 シングさんは「全国の外国人が月百円ずつ寄付してくれるだけで、貧しい外国人の葬儀代を出せる」と話す。企業や大学などにも寄付を呼び掛け、五月にも活動を始めたいという。
 仲間の一人で、加賀市で中華料理店を営む張麗君(ちょうれいくん)さん(40)は「日本語を話せない人は特に困っている。力になりたい」。シングさんは「ホームページやチラシ作り、文章執筆などの協力者がほしい」と話している。問い合わせは、シングさんの会社「北陸863」=電0761(71)0863=へ。
◇設立予定のNPO法人の連絡先や活動理念を紹介するホームページはこちら

関連キーワード

PR情報