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「鈴木博志さんには負けたくない」でドラフト会見場に静寂…3年前のソフトバンク杉山の言葉に「今じゃ僕の方が…」

2021年3月3日 10時47分

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中日・鈴木博志

中日・鈴木博志

◇渋谷真コラム・龍の背に乗って


◇2日 オープン戦 ソフトバンク14―2中日(ペイペイドーム)
 杉山一樹を初めて見たのは、2018年10月25日だった。2日後に始まる日本シリーズに備え、僕は広島にいた。その日はドラフト会議。「近いから」という理由で、三菱重工広島での取材を任された。
 「同じ静岡の鈴木博志さんには負けたくないです。157キロは絶対に超えたいんです」
 ソフトバンクに2位指名され、始まった会見で杉山が最初に口にした抱負だ。9割が広島の記者で、残りがやはりシリーズで広島入りしていたホークス番。記事が書きやすくなったと喜んだのは、僕だけだった。
 広い会見場を静まりかえらせた「博志超え宣言」。磐田東高の鈴木と駿河総合高の杉山は、確かに1学年違いの同郷だが、投げ合うどころか会ったこともない。動画サイトで見た157キロに衝撃を受け、静岡だと知ってさらに燃えたのだ。
 投げている杉山を初めて見たのはその2年後。昨年の日本シリーズだった。大差がついた第2戦の8回。印象的だったのは巨人の岡本から奪った三振だ。荒れて3ボール1ストライク。捕手の甲斐はど真ん中に構えていた。152キロで見逃し、154キロで空振り。セの2冠を力でねじ伏せた。
 あれから3カ月あまり。今回の杉山は開幕ローテを争っていた。最速157キロ。平均152・5キロ。岡本を圧倒したパワーで、中日打線を3イニング1安打に封じた。
 「本当に面識がなかったんで、そう言われていることを知ったときにはビックリしました。今じゃあ、僕の方がリスペクトしなきゃいけないくらいですよね」
 杉山について、鈴木本人に聞いたことがある。首脳陣が薦め、本人が納得して取り組む新フォーム。今の彼はスピードを追ってはいない。ただ、杉山の球を見て思い出した。3年前の秋。大多数の記者が困惑するのを気にも留めず、杉山にライバル心をむき出しにさせる剛球を、鈴木も持っていたんだと…。

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