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故意ではないが込めた『意図』…阪神・佐藤輝の右腕直撃した中日・大野雄の直球 大物ルーキーへの敬意と警戒心

2021年2月28日 10時23分

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1回表無死一、三塁、大野雄(手前)から死球を受ける佐藤輝

1回表無死一、三塁、大野雄(手前)から死球を受ける佐藤輝

◇渋谷真コラム・龍の背に乗って


▽27日 練習試合 中日 1ー8 阪神(北谷)
 故意ではないが、意図は込めた。大物ルーキーの右腕を直撃した145キロに、大野雄の思いが伝わってきた。
 「初球から真っすぐをしっかりと振ってきた。いい打者だと思って投げました」
 1回。連打で無死一、三塁となり、佐藤輝を迎えた。空振り、ボール、ファウルとストレートを続ける。4球目、捕手の桂がスッと内角に寄った。決めにいったはずの球は、狙いより高く、内に軌道を外れた。死球で満塁。いきなり3点を失うワンシーンだ。
 さすがは4球団競合のドラフト1位。実戦でも結果を残し続けており、打席に立つ姿には風格すら漂っていた。変化球を投げなかったのは、結果を度外視し、勝負に酔いしれていたからではない。佐藤輝への敬意であり警戒心だった。
 「試合前から桂と話していました。真っすぐで押していこうと思っていた分、力んでしまいました。インコース(を狙った球)が抜けてしまったんです」
 沢村賞左腕の内角球を見せておく。それはベンチの指示ではなく、バッテリーが事前に決めていたことだった。力みゆえ死球になったが、目的は反応と対応を確かめるところにあった。
 昨季の大野雄は148イニング2/3、打者559人に投げ、与死球はゼロ。抜群の球威と精度を誇るストレートが、エースをエースたらしめてきた。重ねて書くが、故意ではない。しかし、調整段階というのはあるにせよ、力みが手元を狂わせた。それだけの重みがある1球だったということだ。
 次に阪神と当たるのは4月2日(京セラドーム)。大野雄が開幕投手を任されたとすれば、中6日で登板する。佐藤輝が本物であればあるほど、厳しい内角攻めは増えていく。それがプロ。やらねばやられる。あの145キロは、長く続く戦いのほんの序章にすぎない。

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