井端さんが要注意マークの広島の新外国人ケビン・クロンは「エルドレッド2世」ママチャリで球場入りも一緒
2021年2月25日 10時06分
◇井端レーダー セ他球団の戦力分析
侍ジャパンの内野守備走塁コーチとして、全キャンプ地を視察した井端弘和さん(45)=強化本部編成戦略担当兼務=が、セ・リーグ5球団の新戦力を見極める「井端レーダー」。最終回は広島のケビン・クロン内野手(28)=右投げ、右打ち=だ。
◇ ◇
195センチ、115キロ。堂々たる体格の大砲は、3年前まで在籍したエルドレッドを彷彿(ほうふつ)させます。196センチ、126キロだったエルドレッドより少し小さいですが、体つきは引き締まっており、パワーはもちろん、柔らかさも感じさせる打撃でした。僕が視察した7日にはシート打撃が行われ、長打2本を含む3安打を広角に打ち分けていました。
父、兄もメジャーリーガーという野球一家に育ち、取り組む姿勢も好感を持てます。そもそも、今季の新外国人でチームの一員としてキャンプを過ごせたのはクロンだけ。何と1月3日に来日したからです。直後に新規外国人の入国は停止。この事態を予測し、11月に契約を済ませ、いち早くビザを取得したのは球団のファインプレーですが、こんなに早く来日した選手は見たことがありません。断ることもできたでしょうが、クロンは快くやってきたのです。
現時点では3番・鈴木誠、4番・クロンの並び。その鈴木誠を非常にリスペクトしており、僕が視察したときもティー打撃で鈴木誠をまねしていました。本職は一塁手ですが、三塁の練習もしていましたし、走塁練習にもまじめに取り組んでいました。日本野球へのアプローチを教わりながら、対応しようという努力を惜しまない選手だということがよくわかりました。
エルドレッドと重なるのは、体格だけではないです。彼も“ママチャリ”で球場へ通い、子どもは日本の小学校に通学していました。2012年の途中に来日し、3年目に本塁打王。日本で頑張ろうという思いがあるから、ファンに愛される。そういう選手は慣れてきたら怖い。開幕当初は粗さが目立っても、交流戦や球宴を境にガラリと変わったりするもの。未確定ながら星3・5から4・5の要注意選手です。
(本紙評論家)
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