アカハラ、繰り返させない 被害者が「看過しない会」
2021年2月24日 05時00分 (2月24日 05時01分更新)
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大学で理不尽な嫌がらせを受け、一人で苦しんでいませんか−。アカデミックハラスメント(アカハラ)の被害者が「大学のハラスメントを看過しない会」を結成し、サイトを通じて大学特有のハラスメントについて説明したり、被害者の声を聞いたりしている。活動の源は、「次の被害を出さない」という思い。一方で、各大学と文部科学省にも重い課題が突き付けられている。 (中沢佳子)
「被害に遭ってしばらく、私に悪いところがあったのかと自分を責めた。周りに『君に隙があるからだ』と言われたこともある。でも、それは違う」。早稲田大文学学術院で学んでいた女性(30)が切り出した。
女性や代理人の弁護士らによると、二〇一六年に大学院に入って早々、指導教員だった有名文芸評論家の男性教授からのパワハラとセクハラが始まった。研究テーマを罵倒する一方、肩や背中を触り、繰り返し食事に誘って「俺の女にしてやる」と言ってきた。嫌がらせは続き、心の負担が重なって授業を受けられなくなった。女性は一八年三月に退学し、翌月に大学のハラスメント防止室に被害を申し立てた。
当初は中退者の相談は受けないかのように言われたものの、家族からも要請すると...
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