震災10年を想う 岩手出身の湖西署交通課・佐々木さん

2021年2月23日 05時00分 (2月23日 05時03分更新)
故郷への思いを語る佐々木秀喜さん=湖西署で

故郷への思いを語る佐々木秀喜さん=湖西署で

  • 故郷への思いを語る佐々木秀喜さん=湖西署で
  • 岩手県陸前高田市へのボランティアに向かう佐々木さん(左)=2011年、同県遠野市で(本人提供)
 岩手県遠野市の出身です。静岡県警から浜松市役所に派遣されていた二〇一一年五月、故郷を襲った地震に居ても立ってもいられず、大型連休にボランティアに行きました。津波被害がなかった内陸の遠野市を拠点に四泊五日し、岩手県陸前高田市の復旧作業を手伝いました。
 陸前高田市は高校の野球部時代の恩師がおり、何度か遠征した場所でもあります。浸水し、照明の塔だけが残ったかつての球場の変わり果てた姿に言葉が出ませんでした。幸い恩師は無事でした。顔を見て、ほっとしました。
 がれきばかりで、カーナビに表示されるコンビニなどの目印が、どこにあるのか分からない。任されたのは、津波で水産加工場から打ち上げられ、散乱した魚を集める作業です。腐った魚の生臭さが辺り一面に充満し、服にしみ込んだ。臭いは洗濯しても、なかなか取れません。
 遠くは九州からボランティアに来た人もいました。見たこともない虫がうごめく中で、子どもや若い女性が進んで片付けてくれていて、本当に頭が下がりました。被災地の復興にはボランティアの力が欠かせないと痛感しました。

◆支援の在り方 自問自答

 警察では交通畑が中心で、〇六年の伊豆半島東方沖地震の他は、被災地に出動したことはありません。ただ静岡県が南海トラフ地震に襲われた時、復興を支えてくれるボランティアに警察官として何ができるのか。東日本大震災以来、ずっと自問自答しています。
 まもなく十年。新型コロナウイルス禍もあり実家に帰れていません。十三日夜の地震では実家も大きく揺れ、両親は生きた心地がしなかったと電話で話していました。忘れてはいけないと振り返る機会になりました。コロナが落ち着いたら、いつか感謝を伝えに帰りたいと思っています。 (取材・鈴木太郎)

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