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子宮頸がんをなくすために 本庶教授の訴え(上)

2020年5月3日 02時00分 (5月27日 04時35分更新)

「メディアとしての使命を放棄している」。インタビューで記者に厳しい言葉を投げかける本庶佑京大特別教授=京都市左京区で

使命忘れたワクチン報道

 春の日が差し込む窓を背に座っているのは、眼光鋭い老科学者。昨年三月下旬、筆者は二〇一八年末にノーベル医学生理学賞を受賞して間もない京都大特別教授、本庶佑(ほんじょたすく)さん(78)の研究室にいた。
 「僕はこれまで何人かの記者に、この問題について話をしたんだけれども。『記事はできたけど、デスク(新聞社やテレビ局の取材のまとめ役)によって没になった』というケースが多々ある。中日新聞はどうですか」
 取材相手からの突然の質問にひやっとした。私自身、この問題を手探りで取材し始めて、当時はまだ二カ月しかたっていなかった。本当に紙面に掲載できるかどうかもわからない。それでも本庶さんの手前、「取材をするなと、止められることはないと思います」と答えた。
 この問題-。それは、子宮頸(けい)がんの原因となるヒトパピローマウイルス(HPV)を防ぐための「子宮頸がんワクチン」を巡る問題のことだ。
 このワクチンは一三年四月、小学六年~高校一年相当の女子が無料で受けられる定期接種になったが、接種後に強い痛みが続くといった副反応を訴える声が相次いだ。国は同年六月、対象者に接種を促す「積極的な...

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