本文へ移動

子宮頸がんをなくすために   本庶教授の訴え (下) 

2020年5月10日 02時00分 (5月27日 04時35分更新)

「科学は白黒で出さないといけないものじゃない」と語る本庶佑京大特別教授=京都市左京区で

接種普及へ「科学」の視点を

先人の知見を足場に

 「この治療は、例え話をすると感染症におけるペニシリン。感染症がほぼ大きな脅威でなくなったと同じような日が、遅くとも今世紀中には訪れるというふうに思っております」
 二〇一八年のノーベル医学生理学賞の受賞が決まった同年十月。京都大で開かれた記者会見で、同大特別教授の本庶佑さんは、自らが発見した免疫の働きに関与するタンパク質「PD-1」と、そこから生まれたがん免疫療法について、細菌感染症を劇的に減らした薬に例えた。
 この日、本庶さんの受賞の一報で騒々しくなった社会部の片隅で、私は会見をインターネット中継で見ていた。遠い将来を見据えた本庶さんの言葉の重みに、静かに心を打たれていた。
 続く同年十二月、ストックホルムで授賞式前に開かれた会見では、本庶さんは子宮頸(けい)がんワクチンについてわざわざ触れた。このワクチンの問題に興味を持っていた私にとっては、本庶さんがこの問題に言及したことが驚きだった。本庶さんはマスコミがこのワクチンの副作用ばかりを取り上げ、結果的に接種率の低下につながっているとして「マスコミに大きな責任がある」と呼び掛けたのだ。
 なぜ自...

中日新聞読者の方は、無料の会員登録で、この記事の続きが読めます。

※中日新聞読者には、中日新聞・北陸中日新聞・日刊県民福井の定期読者が含まれます。

関連キーワード

PR情報