近江町市場の魅力伝える 金大付属小児童が記事執筆
2021年2月17日 05時00分 (2月17日 10時21分更新)
地元客増へまとめ 来月のフリーペーパー
金沢市の近江町市場について学習している金沢大付属小学校3、4年生の複式学級の児童24人が、市場で配布されるフリーペーパー「お!のある暮らし」の今春号(3月発行予定)に記事を書くことが決まった。新型コロナウイルス感染拡大で観光客の利用が減少する中、年間の学習で新たに分かった課題をまとめる。児童らは「市場になじみがない地元客が足を運ぶきっかけになれば」と意気込んでいる。 (阿部竹虎)
新型コロナウイルスが社会に及ぼしたさまざまな影響を学んできた複式学級の児童たち。近江町市場の窮状を知り、総合的な学習の時間などを使って本格的に学びを深めてきた。十二日、記事化を提案した「お!のある暮らし」の編集担当でデザイナーの西川智久さん(38)が授業に招かれ「簡単に調べれば分かるようなことではなく、近江町市場に対する皆の思いを伝えてほしい」と助言した。
本来なら授業の一環として皆で市場内を歩きたかったが、感染拡大防止の観点から断念。そこで、担任の福田晃教諭(34)が三六〇度カメラを手に市場内を歩いて映像に撮り、児童が持つタブレット端末で視聴できるようにした。近江町市場商店街振興組合の職員を授業に招いたほか、電話を通じて青果店や水産会社の経営者の声を聴く機会も設定。市場で開かれた料理教室に自主的に参加する児童もいた。
さらに、学級の児童の保護者に実施したアンケートでは、近江町市場へあまり行かない理由として「遠いから」「あまり知らない」「駐車場が有料」「スーパーに慣れている」といった声が上がった。
さまざまな課題がある中で、何を記事にするか−。児童らは「お客さんが減っていることを知って驚いた」「店同士がいいライバルで、お互いに高め合っている」など率直な気づきを発言して共有した。
授業後の取材に、古庄(ふるしょう)那奈さん(四年)は「お店の人にとっても、改善の気づきになるような記事にしたい」。石山怜君(三年)は「たくさんの足を運んでもらい、また活気が戻るといい」と話した。今後も編集担当の西川さんが児童らへの指導を続ける。
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