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弾道測定器が証明…中日・小笠原のカーブは「魔球」級の回転数と落下率

2021年2月16日 11時02分

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ブルペンで投げる小笠原

ブルペンで投げる小笠原

 ドラゴンズが北谷キャンプに持ち込んでいる高性能弾道測定器「ラプソード」を活用したデータ企画。第3回は小笠原慎之介投手(23)を取り上げる。ポテンシャルの高さは誰もが認めるところ。今季の飛躍のために何が必要か、ラプソードがはっきりと示してくれた。
 小笠原の持ち球はストレート、チェンジアップ、スライダー、そしてカーブがある。その中で特筆すべき変化球がカーブだ。今回のキャンプで計測したところ、カーブの回転数が平均で3000回転を超えていたのだ。縦の変化量はマイナス60センチを超えている。変化量とはホップ率とドロップ率を表している。マイナスが高ければドロップ率が大きく、プラスの数字が多ければホップ率が高くなる。
 そして回転軸は、ほぼ12時と6時を指して回転する。つまり、まっすぐ落ちていくボールだ。左投げでこの回転量とドロップ率のカーブを投げられる投手は、セ・リーグにはいない。パ・リーグであてはまるのがソフトバンクのモイネロだ。ドロップ率では、カーブを得意にしているソフトバンクの武田をも小笠原は上回っている。
 昨年の日本シリーズを覚えている人も多いと思う。巨人打線がかすりもしなかった、あの魔球クラスのカーブを小笠原は投げることができるのだ。球質は、小笠原がほぼ縦の変化なのに対して、モイネロには少しスライドの成分が含まれている。そして決定的に異なるのは、その球速だ。平均速度はモイネロの126キロに対し、小笠原は120キロ。この球速をモイネロに近づけることができたら、さらに破壊力は増えると見る。
 この事実を指摘され、小笠原本人も、もう少し速いカーブを習得することを目指しているという。これが現実になれば、相手打者には相当やっかいなボールになる。
 カーブのスピードを上げることと並行して、ストレートにも磨きをかけてほしい。モイネロは150キロ超のストレートがあって、あのカーブが生きる。小笠原のストレートの平均速度は、このキャンプで141キロ。横の変化量はシュート成分が強い。つまりホップ成分はそれほど高くないから、浮き上がるような真っすぐではない。
 実はこの数字は、このキャンプでのエース・大野雄大とほぼ同じなのだ。2人に違いがあるのはボールの回転数。大野雄を計測したのは13日だった。ストレートの最速は144キロで、その時は2700回転だった。小笠原を計測したのは6日。ストレートの最速は145キロで回転数は2200回転だった。
 大野雄のストレートの強さの秘密は、この回転数にある。小笠原にも、スピードだけじゃなく回転数にもこだわってもらいたい。大野雄のような強いストレートに、モイネロ級の落差のあるカーブを手に入れれば、今季の小笠原は間違いなく活躍する。
 ストレートの質には本人にも相当なこだわりがあるようなので、このキャンプでどれだけ上げていけるか期待したい。変化球を生かすには、質のいいストレートがあってこそ。昔から言われていることだが、それをラプソードが数値で証明してくれた。
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