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選手が子なら親…キャンプでのスカウトの仕事は「見守り」 中日・野本スカウトが初めて“父親”になるまで

2021年2月15日 11時42分

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野本スカウト(左)と話す三好

野本スカウト(左)と話す三好

◇渋谷真コラム・龍の背に乗って「キャンプ編」
 キャンプも折り返し。何人かのスカウトが視察を終え、沖縄を離れる。野本圭スカウトもその一人だ。昨秋のドラフト会議終了後、彼に祝福のLINEメッセージを送るとすぐに返信があった。
 「ご縁がありうれしく思います。しっかりサポートしていきたいと思います」。担当地区の中・四国から、4位の福島(倉敷工)と6位の三好を指名した。スカウトは親、選手は子と言われる。引退して2年。野本さんは初めて親になった。この2週間、福島のいる読谷と三好がいる北谷を忙しく往復する様子は、まさに父親だった。
 評価急上昇の三好だが、スカウト会議では時期尚早論も出たようだ。社会人で5年。最初の3年間は投手で野手歴2年だからそれもわかる。しかし、野本スカウトは熱弁で押し切った。出会いは2019年初春。就任ホヤホヤの新米スカウトは、JFE西日本の愛媛合宿に向かった。お目当てはその年のドラフトで日本ハムに1位指名される河野だった。
 「野手も見ていると、いかにも運動神経が良さそうな選手がいたんです。何というか、雰囲気があったんですよね」
 名前も知らなかった。聞けば野手転向したばかりで、試合にも出ていないという。普通はそこで忘れる。昨シーズン、ようやく試合には出るようになったが、他球団はほとんどノーマークだった。しかし、野本スカウトは追い続けた。昨年だから6位で取れた。今年なら3位、いや2位で消えていたかもしれない。
 キャンプでのスカウトは、練習を手伝うわけではなく、ひたすら見守る。チームの現状を知り、補強ポイントを把握する目的もあるが、わが子、特に新人はケアが必要だ。「痛い」「つらい」「わからない」は言いづらい。球界OBが来訪すれば紹介し、ちゃんと食事しているかと気をもむ。やはり親なのだ。
 同じ左投げ左打ちの外野手で、自身の入団時と同じ30番。通算185安打と力を出し切れなかった自分のはるか上の世界を見てくれよ…。父はそう願い、次の子を探す旅に出た。

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