<EYES> フォトジャーナリスト 安田菜津紀さん チョコと労働力

2020年1月30日 02時00分 (5月27日 03時52分更新)

ガーナ・アシャンティ州の村で、水くみを終え、カカオ畑を駆け上がっていく子どもたち

 日本国内のみならず、世界各国で出会った方々の声を写真を通して伝えていくのが、私たちフォトジャーナリストの仕事です。とりわけ世界のこととなると、遠い国、実感がわきづらい問題、となりがちです。けれどそれは本当に、私たちにとって遠い存在なのでしょうか?
 例えばチョコレートの原料になるカカオ豆を日本が最も多く輸入しているのは、西アフリカの国ガーナです。都市部は少しずつ発展をとげてきましたが、農村部にはいまだに格差が根強く残っています。実はこのカカオ畑で、子どもたちが「安い労働力」として働かされていることが問題となってきました。
 私たちが手にする安いものには必ず理由があります。日ごろ口にするチョコレートが、実は子どもたちを過酷な労働へと追いやっているかもしれないのです。
 「そんなこと考えていたらきりがない」と思うでしょうか。けれどそれは別の言い方をすると、私たちの日常を少し変えるだけで、誰かの生活が少しでもよくなったり、笑顔を取り戻すきっかけになるかもしれないということです。
 この連載では、日ごろ「遠い」と思われているような世界の問題や人々の声を伝えていきます。自分たちとつながっているかもしれない、何ができるだろうか、という視点からも受け止めていただけたら幸いです。
 <やすだ・なつき> 1987年神奈川県生まれ。NPO法人Dialogue for People(ダイアローグフォーピープル)所属フォトジャーナリスト。同団体の副代表。16歳のとき、「国境なき子どもたち」友情のレポーターとしてカンボジアで貧困にさらされる子どもたちを取材。現在、東南アジア、中東、アフリカ、日本国内で難民や貧困、災害の取材を進める。東日本大震災以降は陸前高田市を中心に、被災地を記録し続けている。著書に『写真で伝える仕事 -世界の子どもたちと向き合って-』(日本写真企画)他。上智大学卒。TBSテレビ『サンデーモーニング』にコメンテーターとして出演中。

◆NPO法人Dialogue for Peopleのサイトはこちらから。

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