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最終回 30年の夢結実、涙のゴール セール破れても誰一人リタイアと言わなかった【白石康次郎の航海記】

2021年2月13日 10時00分

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日の丸を掲げて港に入る白石康次郎(所属事務所提供)

日の丸を掲げて港に入る白石康次郎(所属事務所提供)

 海洋冒険家の白石康次郎(53)=DMG MORI SAILING TEAM=が11日、フランスを発着点とする単独無寄港無補給の世界一周ヨットレース「バンデ・グローブ」を16位でゴールした。昨年11月8日にスタートし、94日21時間32分56秒でフィニッシュ。特別寄稿コラム「オーシャン・サムライ 康次郎の航海記」の最終回は、30年以上かけた夢の結実です。
  ◇     ◇  
 最高です。最高の思い出になりました。約30年前。師匠の多田雄幸に第1回バンデ・グローブ出場のレターが届き、存在を知りました。「何て面白そうな大会なんだ。いつか出たい」とワクワクしたのを今でも鮮明に覚えています。長い長い時間をかけて出場、完走でき、師匠も天国で安心していると思います。
 予期せぬレースでした。6日目に嵐に遭い、メインセールが破れました。車で例えるならエンジン破損。正直、世界一周できるとは思いませんでした。リタイアも考えました。めちゃくちゃな状態。心配する声も届きました。でも、チームの誰一人リタイアしろと言わなかった。全くひどいチームです(笑)。その代わり提案、助言をしてくれた。もう一回修理する材料はない中でゴールした時、信頼する仲間の顔が見られてうれしかった。
 ゴール後は、シャンパンファイトならぬ“スパークリング日本酒ファイト”で仲間と祝いました。美酒でした。フランスや日本だけでなく、感動したイスラエルの船乗りからもお祝いメールが届いたそうです。うれしいですね。94日21時間32分56秒。5万3833キロ。体重は9キロ減りましたが、昨夜はフランス在住の日本人の方が差し入れしてくれたおにぎり、おいなりをほおばりました。今夜はすき焼きです!
 僕が外洋レースを目指したのは、師匠の多田が世界一周レースで優勝したから。今回、完走したことで興味を持つ人も増えると思います。僕にセンスはありません。下手でも、30年以上やり続けました。夢を追い続け、やっと到達できました。恩返しの思いを日本に帰って伝えたいと思います。コロナ禍でどうなるか分かりませんが、この、いとしい船で日本を回る計画もあります。ぜひ、見に来てください。お会いできる日を楽しみにしています。(海洋冒険家)

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