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「荒木を今季から一塁コーチへ」優勝への鍵を握る盗塁のスペシャリスト育成に期待【立川志らくドラ放談】

2021年2月12日 06時00分

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ドラゴンズ優勝へ足を生かした攻撃に期待を寄せる立川志らく

ドラゴンズ優勝へ足を生かした攻撃に期待を寄せる立川志らく

  • ドラゴンズ優勝へ足を生かした攻撃に期待を寄せる立川志らく
  • 9日の紅白戦で1塁コーチャーズボックスに入る荒木コーチ(左)=沖縄・北谷で
 竜党を自負する著名人が独自の視点でドラゴンズ愛をつづる企画「ドラ放談」。立川志らく師匠(57)が春季キャンプ中のチームをたっぷりと語ります。1月にはテレビ局の番組企画で与田剛監督とリモート対談。注文をつけるはずが、逆に助言を求められたことも明かし、10年ぶりのリーグ優勝を目指す今季も愛情と叱咤(しった)を交えた熱烈応援に徹します。
 キャンプでこんな話題が飛び込んできた。英智と荒木雅博の両ベースコーチを昨シーズンとは真逆にするとのこと。つまり、今シーズンから一塁が荒木。三塁が英智。与田監督いわく「2人の経験を生かすため。二塁走者を本塁へかえすための外野手の位置や能力を見極めるのは英智の方がいい。荒木は盗塁数を増やすため」。素晴らしいと思う。
 するとベイスターズファンの知人が一言、「これは駄目だ」と。理由を聞くと、英智が三塁コーチだと、このくらいの打球なら俺なら刺せると思って走者を止めちゃうよ。なるほどなと思った。
 でも、少なくとも一塁の荒木コーチにマイナスはない。荒木の現役時代の盗塁数は実働22年で378。2004年から6年続けて30以上。これはすごい。昨シーズンのドラゴンズの盗塁数は全部でわずか33。つまり荒木の全盛期と比べると、現在の選手がよってたかって走ってようやく荒木と並ぶってわけだ。
 ただ、荒木はその後、足の衰えからあまり走れなくなる。何が言いたいかというと、彼は走れる選手と走れない選手の両方の気持ちが分かってるってこと。スター選手が指導者になるとなかなかうまくいかないってことが多々あるが、それはできない選手の気持ちが分からないから。
 読売の長嶋は名監督ではあるが、こんな有名なエピソードがある。ある選手が監督にカーブの打ち方を尋ねたら、長嶋はこう答えた。「真っすぐ球が来るだろ、そうしたら曲がってくるからそこをバシッとたたくんだ!」って。長嶋はそれで打てたかもしれないが、並の選手はそれでは打てない。
 長嶋の話は置いておいて、わがドラゴンズだ。このコラムで優勝するには「足」だと以前書いた。昨季の犠打が読売の59に対してドラゴンズは73。しかし、盗塁が読売が80でドラゴンズは33。読売並みに走れたら得点は倍増する。優勝の鍵はよく言われている長打ではなく走塁。
 実はその話を中京テレビで監督と対談した際に、直接ぶつけてみた。すると監督も、そのことに同意をしてくれた。というか、私なんかが言わなくても当然そこがウイークポイントだと分かっていて、すでに改革に取り組んでいらっしゃっていた。
 監督いわく、盗塁数が少ないこと以上に問題なのは盗塁の企図数、つまり何回盗塁を仕掛けたか、その数が55回。12球団中11位。さらに19年より数字が減ってしまったとのこと。
 そこで、このキャンプ、足のキーマンに指名したのが4年目の高松渡。すでに荒木コーチとマンツーマンで練習しているそうだ。これはかなり期待できる。
 与田監督はスマートなイメージがあるが、かなりの苦労人。選手時代はけがに泣かされ、複数球団を渡り歩いた人だ。できる選手とできない選手の両方を理解して、みてくれている。きっとガムシャラに優勝を狙ってくれるに違いない。
 あと現在のドラゴンズには全国区のスターがいないから、なんとかつくってくれたらとお願いしたら、良い選手はたくさんいるが、皆おとなしい。どうやったらスターになれるか逆に教えてほしいと言われた。
 私は個性を存分に伸ばしてあげるといいと答えた。例えば阿部寿樹。スマートな選手が多い中で程よく力が抜けて、新橋の駅前で飲んでるおっさんみたいな雰囲気がたまらないから、この個性を前面に出してあげてほしいとアドバイス。
 もし阿部が人気者になったら陰で志らくのアドバイスがあったからと思い出して下さいませ。(落語家)
 ▼立川志らく(たてかわ・しらく)1963(昭和38)年8月16日生まれ、東京都出身の57歳。本名・新間一弘。日大芸術学部在学中の85年10月に落語立川流家元の立川談志に入門。88年に二つ目となり、95年に真打ち昇進。映画に造詣が深く「シネマ落語」で注目を集める。98年の「異常暮色」で映画監督デビュー。2003年に劇団下町ダニーローズを結成した。19年からTBS系情報番組「グッとラック!」でメインMCとしても活躍中。

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