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森喜朗会長の”交代劇”でますます開催は不透明に…タフな交渉力を失った組織委には大きなダメージ【東京五輪】

2021年2月11日 22時51分

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森喜朗会長

森喜朗会長

【記者の目】


 東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長(83)が辞意を固めた。11日、関係者が明らかにした。女性蔑視発言が国内外で反発や批判を受け、発言を撤回して謝罪したが、責任を取る形となった。12日の組織委の評議員会、理事会の合同懇談会で表明する見通し。後任は、選手村村長の川淵三郎日本サッカー協会元会長(84)が受諾の意向を明らかにした。
   ◇   ◇
 辞任の意向を固めた東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長について、印象的だった会見がある。昨年11月、国際オリンピック委員会(IOC)のコーツ調整委員長らが来日。五輪簡素化について組織委と意見交換した後、森会長とそろって報道陣の前に姿を現した。IOCと組織委の結束を示す予定調和の会見のはずだったが、「開会式」の話題で様相が変わった。
 コーツ委員長は「われわれは伝統を変えたくない。全てのアスリートに行進の機会を与えたい」と発言。これに森会長がかみついた。「行進時や待機場所では(ソーシャルディスタンスの)2メートルは難しい。行進は選手の特権だが、安心安全のためにはある程度我慢してもらう必要がある」
 森会長をよく知る関係者は「体育会系の古い気質ばかりが強調されるが、あの調整力はすごい」と言う。IOCのバッハ会長らと信頼関係を築きつつ、場合によってはタフなネゴシエーションも辞さない。辞任は自ら招いた災いだとしても、組織委会長としての貢献は確かだった。
 新型コロナウイルスの感染拡大で五輪延期が決まった1年前から五輪を巡る状況は何も好転していない。観客は一定の制限をするのか無観客なのか―。選手団の感染防止対策は―。何より五輪の開催自体は―。膨大な課題と直面する組織委は、このタイミングでのトップ交代で大きな荷物を背負うことになる。
 日本レスリング協会の西口茂樹強化本部長は「森さんの発言は許されるものではないが、五輪がどうなるかを考えると、心配でたまらない。選手たちがかわいそうだ」と不安を口にする。その一方、森会長辞任で五輪に対する否定的な世論の軟化を期待する声もある。開幕まであと5カ月。先行きはますます不透明になった。
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