白石康次郎が世界一周ヨットレース「バンデ・グローブ」アジア勢初の完走「奇跡のゴールだ」
2021年2月11日 21時58分
海洋冒険家の白石康次郎(53)が11日、フランス西部レサーブルドロンヌから単独無寄港無補給で世界を一周するヨットレース「バンデ・グローブ」を16位でゴールした。最も過酷とも呼ばれるレースで、公式サイトによると94日21時間32分でフィニッシュ。2016年以来2度目の挑戦で、アジア勢初の完走を果たした。
ゴールの瞬間。両拳を大西洋の空に向かって突き上げた。日本のサムライ・セーラーが「奇跡」を起こした。昨年11月8日のスタート直後となる6日目に大アクシデント。嵐に遭い、メインセールを破損した。風力だけで進むため推進力の生命線を絶たれたが、約1週間で1人で修理してレースを続行。「接着剤で貼り付けたセールで世界一周できるとは思わなかった。奇跡のゴールだ」。レース序盤は最下位に近い30番台だったが、諦めずに徐々に順位を上げた。
前回大会は南アフリカ沖でマストが破損して無念のリタイア。「涙が枯れ果てた」と言うが、今大会のメインスポンサーであるDMG森精機の支援を受けて再挑戦した。世界中がコロナ禍に包まれる中、レース中に「元気よく、明るく、前向きに、一歩一歩前に進む。世界一周を達成して、日本を元気にしたいと思います」と話していた白石。別大会を含め自身4度目となる世界一周は、アジア勢初の快挙となった。
◆バンデ・グローブ フランス西部バンデ県レサーブルドロンヌを発着点に、単独無寄港無補給で世界一周(約4万8000キロ)のタイムを競うレース。今年で9回目。コースはフランスを出発して大西洋を南下し、喜望峰(南アフリカ)を回って東へ。南極海を横断し、南米の最南端ホーン岬沖を通って北上、フランスに戻る。前回大会の優勝者は74日でゴールしている。今大会は33チームが参加、白石は唯一アジアから参戦だった。優勝はヤニック・ベスタベン(フランス)の80日13時間59分46秒だった。
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