満員電車ドア付近、感染リスク「3倍」予測

2020年3月23日 16時00分 (5月27日 04時34分更新)
 京都工芸繊維大の山川勝史准教授(計算流体力学専攻)が構築した、ウイルス飛散による電車内での感染リスク予測のシミュレーションが注目されている。満員電車では座席付近より、立っている人が多いドア付近の方が三倍近くリスクが高まる。新型コロナウイルスについても似た傾向が予測されるという。
 シミュレーションは二〇〇九年に大流行した新型インフルエンザの感染ルートを明らかにするため、流行当時の罹患(りかん)率を基に一三年、京浜東北線の一車両をモデルに使って行った。
 一車両に二百六十四人(ドア付近百二十人、座席付近百四十四人)が乗る満員電車の中で、ウイルスに感染した患者がマスクをした状態でせきをしたと想定。一回のせきで放出される飛沫(ひまつ)(直径〇・〇〇五~二ミリ)にはウイルス十万個が含まれるが、マスクによって九万個の飛散が防げたとして、残り一万個がどう広がるかを計算した。
 ドア付近で立つ患者がせきをした場合、飛沫は天井と乗客の間にできる気流に乗って広がりやすくなる。シミュレーションではドア付近にいる他の乗客九人が感染した。
 一方、座席に座っている患者がせきをした場合、飛沫は座っている人のひざの周りに落ちる。飛沫は空調や天井付近の気流の影響を受けにくいため、乗客の感染は三人にとどまるという。
 山川准教授は「すべての条件で当てはまるわけではないが、新型コロナウイルスの感染経路を特定するためにシミュレーションを使うことができる」と話している。
 (浅井弘美)

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