渡航歴ない日本人感染 奈良県の60代バス運転手

2020年1月29日 02時00分 (5月27日 04時34分更新)

中国湖北省の武漢に滞在する邦人を帰国させるため、羽田空港を出発するチャーター機=28日夜

 厚生労働省は二十八日、国内で新たに三例の新型コロナウイルス感染者が確認されたと発表した。一人は奈良県在住の六十代日本人男性。バス運転手として中国湖北省武漢市からのツアー客を乗せたが、自身の滞在歴はなかった。厚労省はツアー客からうつったとみて感染経路を調べている。国内で人から人に感染したとみられる初の事例で、日本人の感染確認も初めて。
 残る二人は武漢市在住の四十代男性と四十代女性で、それぞれ愛知県と北海道で肺炎と診断された。国内で感染が確認された患者は計七人となった。
 一方、政府は二十八日夜、武漢滞在の邦人帰国に向けチャーター機一機を日本から派遣。二十九日午前に第一陣約二百人が羽田空港に到着する方向だ。政府は二十八日、新型コロナウイルスによる感染症を、感染症法に基づく「指定感染症」とすることを閣議決定した。
 運転手の男性は八~十一日に大阪から東京へ客三十一人を乗せ、十二~十六日には東京から大阪へ二十九人を乗せた。男性が所属するバス会社によると、山梨、奈良にも立ち寄った。客は全員帰国した。男性は十四日にせきなどの症状が出て、十七日に奈良県内の医療機関を受診。二十五日に肺炎と診断された。症状は改善し重症ではないが、奈良県の医療機関に入院している。
 家族や、接触があった医療関係者に発熱などの症状を訴える人はいない。バスに乗っていたツアー客も現時点で感染が判明した人はいない。
 残る二人のうち四十代男性は二十日から日本を訪れ、二十六日に愛知県内の医療機関で肺炎と診断された。比較的症状は軽い。四十代女性は二十一日に来日し、二十七日に北海道の医療機関で肺炎と診断された。容体は安定している。
 武漢では二十八日朝の時点で邦人約六百五十人が帰国を希望しており、政府は希望者全員の早期帰国を目指す。帰国後二週間は健康状態に注意し発症したら保健所に申告を求める。チャーター機の搭乗者からは正規片道エコノミー料金の約八万円を徴収する方針だ。

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