新型肺炎、WHOが緊急事態宣言

2020年1月31日 16時00分 (5月27日 04時34分更新)

新型コロナウイルスを巡る緊急委員会後、記者会見で緊急事態を宣言したテドロスWHO事務局長=30日、スイス・ジュネーブで(AP・共同)

 【パリ=竹田佳彦】世界保健機関(WHO)は三十日、感染拡大が止まらない新型コロナウイルスによる肺炎を巡り、専門家による三回目の緊急委員会を開き「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」に当たると宣言した。二十二、二十三日に開いた緊急委では時期尚早として宣言を見送ったが、事態の悪化を受けて宣言に踏み切った。緊急事態宣言は二〇一九年七月のコンゴ(旧ザイール)のエボラ出血熱以来。
 WHOのテドロス事務局長は、中国の感染拡大防止の対応を称賛しながらも、「保健態勢が整っていない国に感染が広がることを最も懸念している」と強調。「感染拡大を防ぐために一致して行動すべき時だ」と表明した。フサン委員長は中国や国際社会での感染者数の拡大を受けての措置と説明し「ほぼ全委員一致で決まった」と述べた。
 一方で、テドロス氏は「ヒトやモノの移動を不必要に制限する理由は見当たらない」と述べ、WHOとして渡航や貿易を制限する勧告は見合わせると表明した。
 中国では感染者の増加に歯止めがかからず、世界全体の感染者数は一万人に迫る勢いだ。拡大を受けて、各国政府は感染者が集中している中国湖北省武漢市に滞在している自国民を帰国させるため、相次ぎチャーター機を手配するなどしている。
 WHOは今後、ワクチン開発や治療法の確立、各国間の情報共有に力を入れる考えを表明した。
 テドロス氏は二十八日、北京を訪れて習近平(しゅうきんぺい)国家主席と会談し、できるだけ早く国際的な専門家を中国へ派遣し、現地の専門家と連携することで合意している。
 <WHOの緊急事態宣言> 感染症などが他国に保健上の危険をもたらす事態や、国際的な対策の調整が必要と判断される場合に、世界保健機関(WHO)が出す宣言。2002~03年の重症急性呼吸器症候群(SARS)流行で新興感染症への対応が課題になり、05年に国際保健規則を改定。以前はコレラ、ペスト、黄熱の3疾病の流行だけが対象だったWHOへの報告義務が、改定後は世界的な感染拡大の恐れがある事象全てに拡大された。報告を受けて、WHO事務局長が必要と判断すれば緊急委員会を招集し、協議結果を踏まえて緊急事態宣言を行う。
 (ジュネーブ・共同)

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