症状初期、どう対応? 悪化まで異常出ず

2020年1月30日 02時00分 (5月27日 04時34分更新)
 新型コロナウイルスによる肺炎は発症から症状の進行まで時間がかかるケースがあり、軽い症状や潜伏期の感染者の発見、診断など初期対応の難しさも浮き彫りになってきた。最初に患者と接する可能性のある地域の医療機関からは検査体制の充実を求める声も上がる。
 奈良県在住の男性バス運転手が感染した例では、せきなどの症状を訴えて医療機関を受診したが、各種検査に異常はなかった。症状が悪化して再受診し、入院したのは約一週間後。この間、ツアーバスの運転を続けていた。
 愛知県で二十八日に感染が判明した武漢市在住の男性旅行者の例も二日前に医療機関で肺炎と診断されたが、軽症のため滞在先に戻っていた。
 名古屋大大学院医学系研究科の八木哲也教授(感染制御学)は「現状の対応としてはやむを得ない」と話す。政府は新型肺炎を強制的な入院などを可能にする指定感染症に決めたが、施行は二月七日。「法的根拠がない段階で入院を強いれば、人権問題にもなりかねなかった」とする。
 八木教授は「軽症者の中にも潜在的な感染者はいると考えた方がいい」とした上で「検査のための試薬にも限りがあり、網羅的な検査は現実的ではないが、今後の感染の広がり次第では検査体制の見直しなども検討が必要」と指摘した。
 個人医院の医師らが会員となっている愛知県医師会で感染症対策の担当理事を務める浅井清和医師は「県内で感染例が続き、不安から検査を求める患者は増えるかもしれないが、インフルエンザのような簡易検査キットはなく、現状は打つ手がない」と説明。「二次感染を防ぐ意味でも保健所などに相談し、受診先の助言を得てほしい」と話す。
 (安藤孝憲)

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