指定感染症、1日に前倒し施行 首相「感染者の入国を拒否」

2020年1月31日 16時00分 (5月27日 04時34分更新)
 政府は三十一日、新型コロナウイルスによる肺炎を「指定感染症」とするための政令施行を二月七日から同月一日に前倒しする方針を決めた。WHOによる「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」宣言を踏まえた対応。安倍晋三首相は一月三十一日の衆院予算委員会で「わが国に入国しようとする者が感染症である場合には、入国を拒否する」と表明した。外国人が対象とみられる。
 首相は衆院予算委で、政令施行を二月一日に前倒しすると明言し「情勢変化を踏まえながら、やるべき対策をちゅうちょなく決断し、実行していく」と述べた。
 菅義偉官房長官は記者会見で、入国管理に関し「感染者であることが確認できない場合でも、査証(ビザ)の取り扱いも含めて運用について速やかに検討する」と説明した。
 外務省は三十一日、武漢市がある湖北省以外の中国在住者に対し、交通の制約が拡大する可能性に備え「日本への一時帰国を含む、安全確保について検討することを勧める」との「スポット情報」を出した。
 政府は国会内で、新型コロナウイルス感染症対策本部の会合を開催。本部長を務める首相は「事態は時々刻々と変化している。前例にとらわれていたら危機に対応できない」と述べ、対策強化を指示した。
 赤羽一嘉国土交通相は会見で、武漢市からの訪日客による団体旅行に関わった全てのバス運転手やツアーガイドに健康診断を呼び掛ける考えを示した。感染拡大防止のため、旅行会社を通じて対象者を把握する。
 また赤羽氏は、新型コロナウイルスに感染した奈良県の男性運転手が所属する大阪のバス会社に対し、全従業員が医療機関を受診するよう要請したと明らかにした。

◆帰国第3便、羽田へ到着

 新型コロナウイルスによる肺炎が発生した中国湖北省武漢市の滞在邦人を退避させる日本政府の全日空チャーター機第三便が三十一日午前、武漢から羽田空港に到着した。邦人百四十九人が搭乗。政府は滞在先を埼玉県和光市の国立保健医療科学院と千葉県柏市の税関研修所に決めた。菅義偉官房長官は記者会見で茨城県の筑波産学連携支援センターと言及したが、調整の結果、見送った。
 外務省によると、三十日時点で帰国を希望している武漢周辺の邦人は三百人以上。菅官房長官は「帰国希望の邦人がまだ約百四十人いる。大半は武漢市外の邦人で、要望を聴取した上で早急に帰国できるよう調整を進める」と述べた。外務省幹部によると、来週以降、第四便を運航する見通し。
 チャーター機には医療チームが乗り込んでおり、検疫や体温チェックに当たった。第三便からは客室乗務員が防護服を着用。機体は第一、二便と同様、第二ターミナル本体から離れた「サテライト」に駐機し、乗客の移送に備えた複数台の救急車や大型バスが横付けされた。

関連キーワード

PR情報