情報開示、国は慎重 大阪、独自にルール

2020年2月1日 02時00分 (5月27日 04時34分更新)
 新型コロナウイルス肺炎による感染者の情報は、どこまで公表すべきか-。国内での確認事例が相次ぐ中、国や自治体が対応に頭を悩ませている。
 「国があまりにも情報を開示しないので、府民全員が不安になる」。大阪府の吉村洋文知事は三十一日、いら立ちをぶちまけた。府は二十八日、府内で発生が確認されれば滞在・居住地域を市町村名まで明らかにする独自ルールを決めた。
 東京都も三十一日、人が多く集まる観光名所などへの行動歴については、従来は公表していなかった詳しい立ち寄り先や移動手段も明らかにする方針を示した。
 感染者の情報公表を巡っては過去に混乱もあった。二〇〇三年、関西地方を旅行した台湾の医師が重症急性呼吸器症候群(SARS)に感染した際、厚生労働省などは立ち寄り先のホテルや飲食店を公表。予約キャンセルが相次ぎ、風評被害の補償を求める動きがあった。
 感染症の社会的影響に詳しい関西福祉大の勝田吉彰教授は「曖昧な情報が、うわさを招き差別や風評被害につながる」とし、行政側は正確でこまめな情報公開をすべきだと指摘。情報を受け取る側も「根拠のある情報に基づき、冷静に行動してほしい」と話している。

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