中部空港など不安の水際、マスク放せず 新型肺炎拡大

2020年2月2日 02時00分 (5月27日 04時34分更新)

中国へ向かう航空会社の出国カウンターで大量のマスクを預け入れる人たち=1日午前11時26分、中部国際空港で(橋場翔一撮影)

 新型コロナウイルス感染が急拡大し、人から人へ感染したとみられる肺炎患者が国内で確認されてから初めての週末となった一日。空港では中国便への搭乗客が大量のマスクを詰め込み、主要駅にはマスク姿の人が一段と目立った。新型肺炎が不安の影を落とす東海地方の交通の要衝を訪ねた。
 海外からの人が行き交う中部国際空港(愛知県常滑市)。正午ごろ、出発ロビーには春節(旧正月)の連休を終え、中国へ向かう人が列をなしていた。スーツケースや手提げかばんの中には、大量のマスクがのぞく。傍らでは、うずたかく積まれたマスク入りの段ボールの発送作業が続いた。
 中国湖北省武漢市から空路で約二時間の広州市の自動車部品工場に駐在する滋賀県湖南市の山川陽豊さん(29)は「現地の仲間に配るために七百枚持ち帰ります」。家族五人で観光に来ていた中国人男性(40)は「子どもたちはしばらく学校が休み。本国はピリピリしていて、帰るのが怖い」と漏らした。
 空港内のドラッグストアでは、マスクや消毒液の販売コーナーに人が集まっていた。棚の隅には「お一人様二個限り」の注意書き。十個ほどのマスクを両手で抱えていた中国人客が手を止め、商品を棚に戻す。店員は段ボール箱を開け、新品の補充に追われていた。
 対照的なのは、国際線の到着ロビー。中国発の便が相次いで到着したが乗客はまばら。出張帰りの名古屋市守山区の男性会社員(44)は「空席が目立っていたが、マスクは欠かせない」と疲れた様子。中国政府が海外への団体旅行を禁止した影響が早くも表れていた。
 普段の週末と同じく混雑した名古屋駅(名古屋市中村区)。新幹線のホームはマスク姿の乗客が大半で、切符売り場付近には消毒液が置かれた。伊勢神宮への団体旅行の帰りだという東京都中野区の女性(86)は「移動中は不安でマスクが手放せない。手洗い、うがいも小まめにしてます」。
 新東名高速道路の岡崎サービスエリア(愛知県岡崎市)は、中国からの団体旅行客の減少の影響か、バス専用の駐車スペースに空きが目立った。
 商業施設内の日本料理店の男性店員(33)は「東京五輪に向け、今年は外国人客の増加を当て込んでいた。日本人の出控えも心配。なるべく早く収束してほしい」と不安げに言った。
 (武藤周吉)

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