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絶滅の野草 利賀で確認 「チョウジソウ」ダム用地の険しい崖に

2021年2月6日 05時00分 (2月6日 09時55分更新)
確認されたチョウジソウ=2019年5月、富山県南砺市利賀地域で(利賀ダム工事事務所提供)

確認されたチョウジソウ=2019年5月、富山県南砺市利賀地域で(利賀ダム工事事務所提供)

富山県内53年ぶり 県中央植物園で保全

 富山県内の野生では絶滅したとされていたキョウチクトウ科の多年草チョウジソウが二〇一九年五月に南砺市利賀地域の利賀ダム用地で確認された。県内では一九六六(昭和四十一)年に同市平地域で確認されたのが最後で、県のレッドデータブックでは野生絶滅となっていた。
 国土交通省・利賀ダム工事事務所(砺波市)が明らかにした。チョウジソウは東アジアなどが原産で、日本にも自生する。高さ三十〜七十センチで五月ごろ青い星形の花をつける。湿地や谷筋に自生し、毒をもつ。環境省のレッドリストでは準絶滅危惧種。
 ダム工事に先立つ植物調査で、利賀川沿いの険しい崖地で見つかった。二カ所にそれぞれ百本、十本ほど群生していた。人が行きにくい場所で、以前から生えていたかもしれないが、分からなかったとみられる。
 ダム用地でそのまま保全するのは難しいとして国交省は、昨年五月に県中央植物園(富山市)に移植した。野外の展示園に植えてあり、花の咲くころには保全中との解説板をつける。自然環境に関し国交省に助言、指導している利賀ダム環境検討委員会の委員でもある同植物園の中田政司園長は、本数を増やし、工事後、利賀地域に戻すことも検討する。
 中田さんは「五十三年ぶりの再発見で、野生で絶滅していなかったという証拠が得られたのは大きなニュース」とし、地元住民らから新たな確認情報が寄せられることも期待している。
 県のレッドデータブック改訂時には絶滅の恐れのランクが変わる可能性がある。

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