中部企業、対応追われる 新型肺炎、休校要請

2020年2月29日 02時00分 (5月27日 04時33分更新)
 安倍晋三首相が全国の小中学校、高校などの臨時休校を要請したことを受け、中部地方の企業も子どものいる従業員の休暇要件の変更など対応に追われた。だが、急には人を減らせない職場もあり、唐突な要請に戸惑う声もある。
 東邦ガスは二十八日、病気療養や介護といった特定の目的に限定した休暇の取得要件を緩和し、小学生以下の子どもの世話でも認めることに決めた。二千八百人いる全従業員が対象で、緩和期間は三月二日から春休みの開始日まで。担当者は「子育て中の社員が仕事と家庭を両立できるように速やかに決めた」と話す。
 名古屋銀行(名古屋市)は、計約二千七百人の役職員、パート従業員全員に通常通り勤務できるかを尋ねるアンケートを実施。子どもの世話で出勤できない行員がいる場合、支店内での調整が難しければ、近隣の支店や本部から応援を出す。広報担当者は「地銀は地域経済の重要なインフラで、決して店を閉められない。異常事態で混乱しているが、耐え切る」と話した。
 ブラザー工業(同)はフレックス勤務の社員を対象に、二日から三十一日まで、上司と相談のうえ在宅勤務を可能にすることにした。在宅勤務はもともと小学校四年生以下の子どものいる社員や、介護者がいる社員に認めていたが、対象を一時的に拡大する。
 日本特殊陶業(同)は、小学生以下の子どもがいて出社が難しくなった社員に対し、二日から三十一日の間、有給休暇や傷病休暇の活用を認める。工場勤務など在宅で仕事ができない社員が対象となる。
 ただ、準備期間が限られた中での要請に、困惑も広がる。中部電力は新型コロナウイルスの感染拡大を受け、時差通勤や在宅勤務を推奨しているが、担当者は「すぐに祖父母や学童保育を頼るのは難しい。当面は職場内で配慮し合って、在宅勤務や休暇で対応していくしかない」と語る。
 中部国際空港(愛知県常滑市)に拠点を持つ航空会社の担当者は「子育て中のクルーもいるが、三月の勤務シフトは既に決まっている。(休み希望があった場合)柔軟に変えられるかどうか」と懸念する。
 東海地方の金融機関の幹部は「全支店の稼働を目指すのが当然だが、場合によっては一部の店で時間短縮営業などを検討せざるを得ない。政府はもっと余裕を持って決断すべきだった」と厳しい表情で話した。

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