世界流行WHO危機感 「感染55カ国・地域8万人」

2020年2月29日 16時00分 (5月27日 04時33分更新)
 【ジュネーブ=共同】世界保健機関(WHO)が二十八日、新型コロナウイルスによる肺炎(COVID(コビッド)19)の地域別の危険性評価で、世界全体を中国と同じ最高レベルの「非常に高い」に引き上げた決め手となったのは、二月下旬になり続々と判明した中国国外での感染拡大への危機感だった。事態は急速に変化しているが、当局者は抑え込みは可能だと強調している。
 テドロス事務局長によると、イタリアに関連した感染者二十四人が十四カ国で、イランに関連した九十七人が十一カ国で確認された。中国から地理的に離れた国々からも感染者が「輸出」される事例が増え、世界的に流行し危険性が高まったと認定せざるを得なくなった。
 二十八日付のWHOの状況報告によると感染者は五十五カ国・地域の八万人以上に上った。
 WHOは、日本を含む中国周辺地域の危険性評価についても「非常に高い」に引き上げた。(1)中国(2)中国周辺地域(3)世界全体-の区域で危険性が評価されており、いずれも最高レベルとなった。
 WHOは一月三十日に緊急事態宣言を出した後も、感染者の圧倒的多数が中国本土で、中国国外はわずかだと再三強調してきた。大規模な移動制限など中国が取ってきた対応が、国際的な感染拡大の防止につながっていると評価してきていた。
 WHOで緊急事態対応を統括するライアン氏は、新型コロナウイルスはインフルエンザウイルスなどと異なり「公衆衛生上の強固な対応を取れば、感染拡大をかなり抑えることができる」と指摘した。
 対策を取っている国では新規感染者の増加は抑えられているとして「食い止めるためにできることはたくさんある」と述べ、感染拡大防止の地道な行動を続けることが重要だと呼び掛けた。

◆「封じ込め好機は先細っている」国連総長対策促す

 【ニューヨーク=赤川肇】国連のグテレス事務総長は二十八日、世界的に感染が広がる新型コロナウイルスについて「封じ込めは可能だが、好機は先細っている」と危機感を示し、各国に対策強化を呼び掛けた。ニューヨークの国連本部で記者団に述べた。
 グテレス氏は対策強化を促す一方で「パニックに陥るのではなく、万端の準備をすべきだ」と強調。WHOのテドロス事務局長の「目下の最大の敵はウイルスではなく、恐怖やデマ、差別・偏見だ」という言葉を引用した上で、「各国政府は人権を尊重しつつ、できうる限りの対策を講じるときだ」と訴えた。

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