プロ野球、競馬…消えた歓声 イベント自粛、初の週末

2020年2月29日 16時00分 (5月27日 04時33分更新)

無観客でのレース開催となった中京競馬場=29日午後、愛知県豊明市で(太田朗子撮影)

 新型コロナウイルス感染拡大が終息の気配を見せない日本列島は二十九日、政府によるイベント自粛要請後、初の週末を迎えた。プロ野球のオープン戦や日本中央競馬会(JRA)の中山、中京、阪神の各競馬場でのレースを無観客で実施。歓声が飛び交ういつもの光景が消えた。
 プロ野球にとってはキャンプが終わり、三月二十日のセ、パ両リーグ開幕に向けてオープン戦が本格化するタイミングだった。二十九日は予定されていた六試合のうち、五試合が東京ドームをはじめ本拠地球場での開催。球春の到来を待ちかねたファンが多く詰め掛けるはずだった。
 競馬場ではレース自体は行われるが、馬券の発売・払い戻しは当面、電話とインターネットのみ。JRAによると戦時中の一九四四年に無観客で行われた例があるというが、春の競馬シーズンが本格化するまで約一カ月に迫る中で異例の状況となっている。

◆プロ野球、無観客オープン戦

プロ野球のオープン戦が無観客で行われることを知らせる張り紙=29日午前、名古屋市東区のナゴヤドームで(今泉慶太撮影)

 東海地方では、愛知県豊明市の中京競馬場で1953年の開場以来初めて無観客競馬を実施。名古屋市東区のナゴヤドームでは史上初の無観客オープン戦となるプロ野球中日-広島戦開始を前に、選手たちが汗を流した。
 中京競馬場では入り口の至る所に「入場お断り」の張り紙が掲示された。午前9時50分にレースが始まり、がらんとした場内にファンファーレが鳴り響いた。女性職員は「こんなに静かなのは初めて」とつぶやいた。
 名鉄中京競馬場前駅では、競馬新聞を手に改札口から出てきた同県清須市の男性(75)が職員の説明を聞き「え、入れないの?」と驚いた様子。「これが生きがいだけど、仕方ないよね。どうしようかな」と改札口を入っていった。
 今季のオープン戦初戦を迎えるナゴヤドームは、普段の華やかな雰囲気から一変。グッズショップは臨時休業で、ドーム内は本来の開場時間の正午を過ぎても静かなままで、練習の打球音が響いた。
 1月に死去した高木守道元監督の追悼セレモニーは延期に。献花台が設置予定だったオープンデッキに人影はなかった。
 ただ、試合はテレビ中継され、七回の攻撃前に応援歌も流れる。与田剛監督は「今のチーム状態をファンに見せたい」と話した。
 (鈴木凜平、浅井貴司)

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