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【ラグビー女子】欧州武者修行中のサクラフィフティーン3人娘が対談「日本で味わえない強さとスピード」

2021年2月4日 06時00分

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イングランドでプレーする2人。エクセターの加藤(左)とワスプスの鈴木(右)

イングランドでプレーする2人。エクセターの加藤(左)とワスプスの鈴木(右)

 サクラフィフティーン3人娘が欧州挑戦を語り合った! ラグビー女子15人制日本代表(愛称サクラフィフティーン)で、欧州で武者修行中のWTB平野恵里子(28)=スペイン・セビリア、CTB鈴木彩香(31)=イングランド・ワスプス、プロップ加藤幸子(20)=同・エクセター=が1月27日、NPO法人「スクラム釜石」の“オンライン座談会”に参加した。異国でチャレンジしている3人が体感した欧州女子ラグビーとは?(構成・大友信彦=スクラム釜石理事)
 ―渡欧して2~3カ月が経過して、試合もだいぶ重ねたところですね
 平野「ここまで3試合に出場しました。スペインでは体の小さい選手もいるけどパワーもスピードもあるし、毎日の練習が勉強になります」
 鈴木「私はまだ1試合。私のいるところ(ウエストロンドン)はロックダウンが一番厳しいところで、しかも雪で中止になった試合もあって、今週(1月最終週)やっと全体練習が再開できたんです。サッちゃん(加藤)のところは雪が降らないんだよね」
 加藤「私のいるエクセターはイングランドの南西で、雪は降りませんね。ここまで5試合に出ましたが、レベルは高いです。特にコンタクトでは日本で味わえない強さとスピードを体感できる」
 ―女子ラグビーの認知度、人気はどうですか?
 平野「スペインはやっぱりサッカーが人気なんですが、12月にポルトガルの優勝チームと戦うイベリア杯に勝ったときは地元のスポーツ新聞の1面に載りました。先週はバスク地方のエイバルという町に遠征して、無観客試合だったんですが、グラウンドを囲む山の斜面で見ながら応援してくれる人もいました。予想より認知度は高いです」
 鈴木「イングランドは男女を問わずラグビーの価値が高いですね。女子の6カ国対抗もテレビ中継されてるし、イングランドとかの代表選手はインスタのフォロワーが1万~2万人もいたりする」
 加藤「エクセターは男子は昨季の欧州チャンピオンですが、女子はチームができて2年目で、認知度はまだまだ。ただ、移動のバスは男子チームと共用で、カフェやソファがある豪華バス。恩恵を受けています(笑)」
 鈴木「ラグビー文化で驚いたのは練習の合間に、みんなグミを食べること。必ず誰かがハリボー(ドイツの製菓会社)の大袋を持ってきてて、休憩のたびに『もぐもぐタイム』になる(笑)」
 加藤「エクセターはポテチですね。近くにお店が少ないので、みんなハンバーガーショップのセットを買ってきて、練習前後のロッカールームで食べてます」
 平野「スペインもグミは食べますね。驚いたのは、みんな水を飲まないこと。練習中に水休憩は1回くらいしかない」
 ―試合前の雰囲気とかは日本と違いますか?
 平野「違いますね。普段は気さくなキャプテンが試合前の円陣では別人。バンパイアみたいになって恐怖を覚えるくらい(笑)。言葉は分からなくても熱が伝わってきて、涙してしまう」
 鈴木「メンバーを決める練習はメチャメチャ殺気立っています。すごい迫力。W杯ではこの人たちと戦うわけで、どうしたらいい? と真剣に考えました」
 加藤「私のところは新しいチームのせいか、追い込むよりもポジティブな気持ちにさせてくれる。自分たちの試合がうまくいった場面を集めたモチベーションビデオを見せてくれて、円陣でも『私たちは強い!』と、励ましてくる。練習でも同じで、ミスが出ても明るい雰囲気で『もう1回いこ!』という感じ」
 鈴木「それは私も思った。日本では、決まった練習をミスなく成功させることにこだわるけど、こっちでは正解を求めてない。パスは通ればOK、ミスしても落ち込まないで『次やろう!』と」
 ―日本を離れて気付くことはいろいろある
 加藤「ヘッドコーチ(HC)に『今まで日本人選手のプレーは見たことがなかった』と言われました。だから私が活躍すれば、来年以降も日本の選手が呼んでもらえると思ってます」
 平野「グラウンドを出るときに一礼してたら『なんで、おじぎをするの?』と聞かれて、『私を見てくれてるんだな、行動に気を付けないといけない』と思いました。『サムライ』と呼ばれることもあります(笑)」
 鈴木「男子の日本代表がW杯で躍進してくれた恩恵を受けてます。みんな日本のラグビーに対して好意的です。私はコンディションの関係で練習に参加できないときもHCの後ろに立って指示の声を聞くようにしていたら、その姿勢をすごく褒めてもらいました。『日本人は勤勉だ』と」
 ―皆さん今年のW杯(9~10月、開催国ニュージーランド)での活躍を目指しての挑戦ですが、手応えはいかがですか
 平野「こちらでは『日本の方が強いのになぜスペインに来たの?』と聞かれることもありますが、みんな体は強い。練習でも殺されると思うくらい激しいタックルが死角からも飛んでくる。日本人は優しすぎると思うくらいですが、こういう環境を望んで来たので、充実しています」
 加藤「私も、周りは大きくて重い選手ばかりなので、スクラムは常に低さで勝負するしかない。いい環境でラグビーできています」
 鈴木「日本では関東大会はあって、関西大会はなくなったけど、みんなチームで頑張って練習している。私たちもこちらでの経験を持ち帰ってW杯につなげたいですね」
 ―25年または29年の女子W杯を日本に呼ぼうという声も出ていますね
 鈴木「それですよ! 今年のW杯で女子ラグビーをアピールして、若い世代が増えるようにして、女子W杯日本大会が実現するようにプッシュしようね!」
 平野&加藤「はい!」
 ▼加藤幸子(かとう・さちこ) 2000(平成12)年2月19日生まれ、名古屋市名東区出身の20歳。164センチ、80キロ。横河武蔵野アルテミスターズ。ポジションはプロップ。小5でラグビーを始め、愛知・中部大春日丘高3年時に日本代表デビューし代表キャップ6。昨年9月に早大を休学しエクセターとプロ契約した。
 ▼平野恵里子(ひらの・えりこ) 1992(平成4)年4月26日生まれ、岩手県大槌町出身の28歳。164センチ、65キロ。ポジションはWTB。小1でラグビーを始め、岩手・釜石高から日体大を経て横浜TKM。昨年9月にTKMを退社し、スペイン・セビリアに活躍の場を移した。2017年W杯出場など日本代表キャップ9。
 ▼鈴木彩香(すずき・あやか) 1989(平成元)年9月30日生まれ、横浜市鶴見区出身の31歳。168センチ、62キロ。アルカス熊谷。ポジションはCTB。小2でタグラグビーを始める。関東学院大、立正大大学院卒。日本代表は7人制で2009年&13年W杯、16年リオデジャネイロ五輪、15人制で17年W杯などキャップ17。昨年11月に渡英しワスプスに加入。

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