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【石川】コロナ対策?効果 いかに 3000万円で観光モニュメント

2021年2月3日 05時00分 (2月3日 09時54分更新)
「イカの駅つくモール」に設置予定のイカのモニュメント完成イメージ図=石川県能登町提供

「イカの駅つくモール」に設置予定のイカのモニュメント完成イメージ図=石川県能登町提供

◇ 能登町の施設
住民「今、必要か」 町「終息後 誘客期待」

 石川県能登町の観光交流施設「イカの駅つくモール」で、町が設置を進めるスルメイカの巨大モニュメント。新型コロナウイルス感染症対応として国が自治体に配分する地方創生臨時交付金の約二千五百万円が充てられることに、一部町民から「感染症対策の効果があるのか」との声が上がっている。町は特産品のスルメイカPRを念頭に「コロナ終息後を見据えた誘客効果が期待できる」と理解を求める。(加藤豊大)
 「長い目では誘客効果があるかもしれないが、医療従事者や介護施設などコロナ禍で差し迫った支援が必要なところに手厚く使う道もあったのでは」。町内の六十代女性は今回の設置に反対する。四十代男性も「地方創生という意味で観光振興という使途は間違っていないが、住民らから広くアイデアを募る方法もあったはず」と残念がる。
 モニュメントは、全国有数の水揚げを誇る同町小木港特産のスルメイカと「イカの町」をPRしようと、町が七月町議会で町負担分五百万円を含む設置費計三千万円の予算を提案し可決。高さ四メートル、幅十三メートルの遊具としてイカの内部に入ることができ、写真撮影スポットとしてライトアップもする。昨年十月に制作が始まり、今年三月末に敷地内に設置予定だ。
 町ふるさと振興課の担当者は、国が示した活用例のうち「地域の魅力の磨き上げ事業」に合うと説明。「イカの町や九十九湾の観光振興は、過疎化が進む町の交流人口拡大に向けた切り札。外国船違法操業の影響でスルメイカの不漁が続き、感染症で魚価下落の打撃も受ける小木港を支えたい思いもある」と明かす。
 ただ、町にも「本当に必要か」との意見が寄せられている。担当者は「さまざまな意見があるのは承知している。設置後は利用者らにアンケートするなど検証もしながら効果を最大まで高め、理解が得られるよう努める」と強調する。
 別の四十代男性は「長く観光客を引きつけられるよう、設置後は活用のアイデアや意見を出し合える仕組みをつくるのが重要では」と提案している。
 イカの駅つくモールは、町が五億一千九百七十七万円かけて昨年六月オープン。一年間で七万人の来場を見込んでいたが、イカ料理のレストランや特産品販売が人気で同十二月末現在で六万八千五百人が来場した。

国の交付金使途 各地で是非
中止求める署名も

 コロナ対応の地方創生臨時交付金を巡っては、各地で活用法の是非が問われている。千葉県白井市は、市内の公園三十九カ所に感染症対策への協力を呼びかける看板設置費に約三千万円を充てる予算を昨年十二月の市議会に提案し可決。しかし「不要不急。医療従事者支援など他に使い道がある」と反対する市民らのグループが中止を求める千九百五十九人分の署名を市に提出している。
 昨年十一月、財務省は財政制度等審議会の分科会に、国が示した活用例以外の「ユニークな」取り組み例としてごみ袋配布、花火大会開催、スキー場のライトアップ、ランドセル配布、公用車購入、駅前広場への屋根設置などを列挙した。分科会では有識者から「地方議会がチェックを果たすべきだ」「適切に使われているか検証が必要」などの意見が相次いだ。
 終了後の会見で分科会長代理の増田寛也元総務相(元岩手県知事)は「コロナに便乗した使い方に見える。巨額歳出の背景をくみ取り、本来的にやるものと区別すべきだ」と発言し、議会などで十分議論するよう促した。

【メモ】地方創生臨時交付金=新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急経済対策として政府が創設した自治体向け交付金。2020年度第1次補正予算で1兆円、第2次で2兆円を計上。第3次補正予算案で1兆5000億円を上積みし、総額4兆5000億円とした。申請があった自治体に配分する。コロナ感染防止のほか地域経済の活性化などに幅広く使えるのが特徴。感染症患者を受け入れた医療機関への支援金支給や宿泊施設を活用したテレワーク推進、オンラインでの農家民宿体験事業など、全国で多様な活用例がある。


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