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ソフトバンク王会長の『菅野に行かせてやりたかった』発言は千賀にとって追い風か【大慈彌功コラム】

2021年2月1日 22時00分

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ソフトバンク・千賀

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◇日本人初メジャースカウト「大慈彌功論」
 田中将大投手(32)の8年ぶり日本復帰が決まった。本人が強く望んでいたヤンキース残留の可能性が消滅した直後、好条件を提示した楽天との契約が発表された。他球団との交渉の余地は残っていた中で、簡単な決断ではなかったと想像する。
 現実の数字を見ると、防御率はメジャーデビューした2014年から3年間の通算が3・12だったのに対し、直近2年は4・26と悪化していた。FA先発右腕として2番手の位置にはいたが、誰がゼネラルマネジャーであれ、今年33歳になる田中には新たな環境でのプレーを望む、と考えるのはごく自然である。
 楽天とは基本2年契約。本人は「決して腰掛けではない」と話しているものの、今季終了後にメジャーへ再挑戦できる条項が含まれている。34歳になる22年は、よほどのことがない限り、楽天を上回る条件を引き出せるかは疑問だ。現実を受け入れる以外、メジャー復帰の道は険しいだろう。
 一方、長い目で見た場合、日本球界にとって非常に喜ばしいことである。素晴らしい人柄で、いずれは日本を代表する指導者になるのは疑いの余地がない。日米の長所を取り入れ、選手ありきの視点を持ち、尊敬の念を抱かせる、そんな姿が思い浮かぶ。
 NPBの春季キャンプが始まった。メジャーの視点からの注目株は、この1~2年でのメジャー挑戦が取り沙汰されているソフトバンク・千賀滉大投手(28)と広島・鈴木誠也外野手(26)である。
 千賀はここ3年、球団にポスティングでのメジャー移籍容認を訴えている。しかし、海外FA権を取得する前の移籍はあくまでも球団に主導権がある。ポスティングに寛容な球団、資金面で容認せざるを得ない球団もあるが、ソフトバンクはいまだ容認する姿勢は見せていない。
 そのソフトバンクの王会長が1月10日朝のテレビ番組に出演。ポスティングでメジャー移籍を試みた巨人の菅野に対して「菅野本人は行きたがっていた。残念だ。行かせてやりたかった」との発言をした。千賀に言質を与えたと捉えたく、追い風になる可能性を秘めているような気がする。
 気掛かりなのは体のこと。今年も自主トレ期間中に両ふくらはぎを負傷したようで、キャンプ初日から別メニューとなっていることである。
 ▼大慈彌功(おおじみ・いさお)元太平洋クラブ(現西武)捕手。ロッテでバレンタイン監督の通訳を務め、1997年からは同監督が指揮を執ったニューヨーク・メッツで日本駐在スカウトに転身。ドジャース、アストロズと渡り歩き、一昨年までフィリーズの環太平洋担当部長を務めた。

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