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松井秀喜、黒田博樹、田中将大…変わりゆくヤンキースと日本人選手の関係 オーナーの死とコロナが分岐点に

2021年1月30日 15時54分

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田中将大(AP)

田中将大(AP)

 “大リーグの盟主”と称されるヤンキースはファンも地元メディアもシビアな見方で知られ、いいときは激賞するが、成績が悪ければ容赦なくたたく。そんな環境の中、田中将大投手(32)は心から惜しまれつつもFA退団が決まり、古巣の楽天と契約に合意した。
 野茂英雄氏(現パドレス編成部アドバイザー)が1995年に海を渡った時代から、ヤンキースには日米球界の大きな架け橋となったジーン・アフターマンGM補佐(現球団上級副社長を兼任)がいる。彼女の存在が、松井秀喜元外野手(現ヤンキースGM特別アドバイザー)ら多くの日本選手の入団に寄与した。
 だが、松井氏も2009年のワールドシリーズでMVPに輝いた直後、田中と同様にファンから惜しまれつつFA退団。理由は膝に爆弾を抱えていたことと、ジーターやポサダ、リベラら生え抜きのベテラン以外はチームの若返りを図るためだった。この構図は、14年に右肘靱帯(じんたい)の部分断裂を負いながら、フル回転で投げ続けてきた田中にも重なる。
 投手では、黒田博樹氏もドジャース時代を含めれば14年まで5年連続2桁勝利と大リーグで実績を残しながら、有言実行を貫くため古巣・広島に復帰。その後も2年連続2桁勝利を挙げると、16年は広島を25年ぶりのリーグ優勝に導き、花道を飾った。田中に対する楽天ファンの期待が天井知らずなのは、黒田氏の偉大な足跡も大きい。
 ヤンキースは松井氏の時代からキャッシュマンGMこそ変わらないが、“金は出すが口も出す”ことで知られた名物オーナーのジョージ・スタインブレナー氏が10年に死去。豪放磊落(らいらく)で、子どもたちの中で最も性格が近いとされたハンク共同オーナーも、昨年4月にこの世を去った。実弟で現オーナーのハル氏は、人気よりも費用対効果を重視。今オフもチーム年俸総額の抑制を第一目標に掲げたことが、希望条件は年俸1500万ドル(約15億7500万円)と伝えられた田中を慰留する際の足かせとなった。
 もし、ハンク氏が存命で、コロナ禍がなかったら…。ことメジャー残留に関しては、時代も田中にとって追い風とならなかった。

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