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じわじわハマる「喫茶アネモネ」単行本化 作者・柘植文さんに聞く

2021年1月29日 05時00分 (1月29日 11時40分更新)

単行本には108話を収録。1100円。書店のほか、新聞販売店でも取り次ぎます。問い合わせは、東京新聞出版・社会事業部=電03(6910)2527(土日祝日除く)=へ。

 昨年1月から毎週月曜、本紙で連載中の漫画「喫茶アネモネ」が単行本になりました。どこか懐かしい喫茶店で繰り広げられる、マスターとバイトのよっちゃん、お客さんたちの掛け合いが読者に大人気。発売前重版がかかりました。クスッと笑いを誘う作品は、どのように生み出されているのでしょうか。作者の柘植文さん(48)に聞きました。
 (聞き手・北爪三記、中村陽子)
 −どんな世界をイメージして、この漫画をスタートしたのでしょうか。
 新聞なのでいろんな人に受け入れられやすいもの、一ページで面白く描けそうなもの、と考えました。喫茶店は、日常的で、いろんな人の出入りがあって漫画にしやすそうかなと。
 −一回分を仕上げる流れは。

柘植文さん

 ネーム(せりふ入りのコマ割り)が、すぐできる時は半日ぐらい、全然できないと二日ぐらいかかる時がある。その後、原稿は七〜八時間ですね。線は鉛筆で描いて、スキャンしてパソコンで色を付けます。
 −ネタ帳はありますか。
 はい。A4の紙を四分の一に切って、一枚ずつ、気になったことをメモしてます。アネモネは季節感も出したいので、春、夏、秋、冬とか分けておいて、春ならお花見のネタとかを書いておく。季節感に関係ないものもあります。
 −ネタのヒントは。
 生活すべてですね。常に「あっ、これは面白いかも」と思ったらメモします。「これってなんなんだ?」と思ったことも。ネタ帳を見てまとめて、ネームにするという感じです。
 −モデルのお店はあるんでしょうか。
 モデルというか、たまーに行く喫茶店によぼよぼなおじいさんがいて。そのおじいさんは、アネモネのマスターと違って、お客さんとよくしゃべる人ですけど。昔っぽくて、すごくおしゃれな感じでもないし、汚いわけでもない。その雰囲気が好きだったので、そのイメージですね。
 −よっちゃんは年齢不詳ですね。
 そうなんですよね。最初は、実は子どもがいるとか、それくらいにしようと思っていたんですけど。だんだん描いてきたら、今更変な感じだなと思って。なんとなく二十〜三十代みたいな気持ちでいます。
 −読者の年代は意識していますか。
 そんなには意識していないですね。子どもから大人まで、いろんな人に分かりやすいように、という気持ちです。親に届いた年賀状で「アネモネ読んでます」という方が数人いらして。うちの母が「アネモネは老人に受ける感じだものね」と言うので、そうなの?って思ったんですけど。
 −読者の反響で、マスターの姿が「理想の老後」という声もあります。
 元気に楽しそうに働いてて幸せですよね。現実になかなかあそこまでにはなれないと思いますし、そこまで働きたくないような気もしますが…。
 −担当記者としては、犬や猫などが登場する回も大好きです。動物を飼っていますか。
 動物は飼ってもきちんと世話できる自信がないので、飼っていません。ぬいぐるみとか置き物とかで我慢しています。それもあんまり買うと大変なので我慢していますが。

 −新しいキャラクターも出てきそうでしょうか。
 登場人物がいっぱいいても忘れちゃうんで、難しいですねー。昔のを読んでいると、この人そういえばいたんだよな、とか思うんですけど。
 −単行本が発売されました。
 毎週新聞に載っているのを読むのと、単行本でまとめて読むっていうのは違うんだろうなと思って。みなさんに楽しんでもらえたらうれしいですね。

 つげ・あや 1973年、東京都生まれ。99年、商業誌デビュー。月刊誌「Kiss」(講談社)に『幸子、生きてます』(既刊2巻)、同「まんがライフオリジナル」(竹書房)に『中年女子画報』(既刊3冊)を連載中。他の著書に『野田ともうします。』(全7巻、講談社)、『むか〜しむかしの』(全2巻、同)など。

東京新聞(中日新聞東京本社)Webページで収録4作などが見られます。
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