9月入学制、17知事が政府に要請へ 休校で学力差懸念

2020年4月29日 02時00分 (5月27日 04時32分更新)
 新型コロナウイルス感染拡大による公立学校の休校長期化を受け、九月入学制の導入を求める声が二十八日、全国の知事から相次いだ。休校が長引く地域とそうでない地域で学力差が生じるという懸念のほか、これを機に九月入学の欧米に合わせるべきだとの主張もある。有志の知事十七人は共同メッセージで政府に要請する考えを発表。他に東京都の小池百合子知事や群馬県の山本一太知事が前向きな考えを示した。
 全国知事会も、九月入学制の導入検討を政府に緊急提言する方向で調整に入った。一方、萩生田光一文部科学相は二十八日の記者会見で「文科省だけで完結する問題ではなく、社会全体に影響を及ぼし、調整が必要な案件だ」と指摘。高校や大学入試、就職なども含めた対応が必要として、丁寧な議論を求めた。「オールジャパンで本当に一緒に考えるとすれば、一つの大きな選択肢になる」とも述べた。
 十七県知事でつくる「日本創生のための将来世代応援知事同盟」は二十八日、ウェブで緊急サミットを開催。宮城県の村井嘉浩知事は「休校の長期化で、地域間でかなりの学力差が出ると懸念される。思い切って考えるタイミングだ」と強調した。
 欧米などが九月入学としていることもあり、岡山県の伊原木隆太知事は「世界標準に合わせる改革になる」と賛同した。
 全国知事会長を務める徳島県の飯泉嘉門知事は、文科省が難色を示すとの見方を示した上で「目先にとらわれるのではなく、将来世代のために今こそやらなければならない」と述べた。
 小池知事は「社会を大きく変えるきっかけになる」と歓迎した。
 九月入学については大阪府の吉村洋文知事が今後の状況次第で国に働き掛ける考えを示している。国民民主党も立憲民主党などと調整し、今週中に萩生田文科相に導入を提言する方針だ。
 一方、兵庫県の井戸敏三知事は二十八日の記者会見で「コロナ対策と絡めるには飛躍しすぎだ。実現には総合的な検討が必要で、そのような主張は短絡的だと思う」と否定的な考えを示した。

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